ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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石川優子 なぜ歌手をやめたのか 

石川優子 久々の登場

昨年2021年の12月、NHK-FMのパーソナリティとして石川優子さんが久々に登場。
そのときの内容をこれまで2回お伝えしました。

一回目は「80年代は駆け抜ける青春」だったという話。

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そして、2回目は「ちょっとちがうぞ、と感じ始めて作った『恋愛孤独人』
でした。

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石川優子の90年代

今回は石川優子さんにとっての90年代です。

彼女の語りは以下の通りです。

『私、石川優子にとってですね。80年代というのは外に向かって駆け抜けた青春っていう感じがするんですけれども、私の90年代は・・・そうですね、
今度は自分の内に向かって生活を楽しんだ90年代っていうそういう感じかなと思います。今日のテーマは「あなたが一大決心したこと」ということなんですけれども、私、石川優子にとって1990年ですね。一大決心がありました。
あの「愛を眠らせないで」というね、ファイナルコンサートを最後に、
まあ、歌手活動をちょっと一旦引退するということで一大決心をしました。

なぜ歌手をやめたのか

「何で?」ってよく聞かれるんですけれども、本当にね。あの11年間だったんですけども、デビューしてから、もうずっと音楽のことを考えて、本当にどっぷりと浸かって
24時間365日ずっと音楽のことを考えて、アルバムをレコーディングして、そして曲を作って、ツアーをしてというのをやっていて、もう夜中とかでも、寝てるとがばっと、なんか今、音楽が聞こえてきたという感じで目が覚めるんですね。
で、そこから曲作りを始めるんです。まあ、だーって一曲できちゃう時もあれば、一節このメロディいいなって出て来て、よし、じゃあ、もうここはこれでいいやと思って、じゃあ寝ようと思って寝ると、また今度、次のところが出て来るんですよね。
それを繰り返していると結局朝になってしまった。夜があけてしまったなんていうことも多々ありました。そういう感じで、24時間頭の中が音楽でいっぱい。自分のやりたいことでいっぱい。映画を見てても、なんかのワンシーンを見ていると、音楽が出てくる。曲が出てくる。人の話を聞いてても曲が出てくる。何をしていても、曲が出てくるんですね。人のコンサートを見てても、この照明いいなあ。どこがいいのかなとか、その素で楽しんでるっていうのが、だんだん無くなってるような気がしてきたんですね。私生活が全部仕事になっちゃってる、というようなことにふと気が付きまして、私このままこういう生活をずっと続けていくのかなってある日ふと考えたんですね。
天の声かもしれないな。ちょっとこの辺で、昔のこと自分の原点に戻ってみるって言うのはどうなんだろうとふっと思ったんですね。
それでじゃあ、ここでちょっと一旦その自分の内なるところを外に向かってっていうよりも、内なるところを追求したいな、私って昔、留学したいなあって思ってたじゃん、ニューヨークの街角でなんか茶色いペーパーバッグみたいなんか抱えてお野菜をいっぱい入れて、ちょっとバケットって言うんですか。フランスパンってみたいのがちょっと覗いて、それを抱えながらリンゴをかじりながら、ニューヨークの街角を歩くみたいなのに憧れてたじゃん。そんな生活をしたいと思ってたんじゃん。私ってこうだったじゃんって言うみたいなものがどんどんあふれてきて、止められなくなってしまったんですね。

 


それで、ニューヨークに留学しようということになりました。でも、このまま今の生活をしてニューヨークに行ってしまったら、結局またニューヨークでも同じことの繰り返しになる。何をやっても曲が出てきたり、これ、なんかラジオで喋れるんじゃないかとか、そんなことを考えてしまう。それだったら何も変わらないって言うんで、一旦もう全てそこで活動をストップして、ニューヨークのコロンビア大学に入学。いや、そうじゃなくてコロンビア大学の英語学校に入学することにしまして、そこでの生活が始まりました』

音楽がすべての生活から内なる自分へ

ひと言ですぱっとは言ってないですが、引退したのは「音楽がすべての生活では本当の自分を見失ってしまう、という危機感を持ったから」ということでしょう。

その時、彼女は32歳

歌手、ソングライター、音楽という世界から完全に離れました。

周囲はびっくりでしょう。たくさんのファンもいたし、商業的にも大成功していました。全盛期に「普通の女の子に戻りたい」と言って引退したキャンディーズほどではないにしても、もったいないなあとみんな思ったでしょう。
でも、本人が、このままでは持続不可能と感じたのですから、そこで完全にやめたのは正解だったかもしれません。あのまま続けていたら、心身のバランスを崩していたでしょう。

わたしも個人的には、あれっなんで??という感じでしたけど、こうやってご本人の言葉を聞くと納得できますね。また、これからも時々でいいので、ラジオで出てほしいなあ。