藤井聡太竜王への挑戦者を決める三番勝負は伊藤匠六段が2勝0敗
現在、竜王名人を含む七冠を持つ藤井聡太竜王。その「絶対王者」とも言える藤井聡太竜王に対する挑戦者に、伊藤匠六段(挑戦者となり七段に昇段)が名乗りを上げました。竜王ランキング5組から勝ち上がって来て、永瀬拓矢王座を2勝0敗で下してのりっぱな成績。竜王戦七番勝負が楽しみですが、対局後の伊藤匠七段のインタビューの内容を見てみましょう。
藤井聡太竜王は「絶対王者」
(初のタイトル挑戦が決まっての思い) タイトル戦は、将棋を始めた頃からあこがれていた舞台なので、非常にうれしい気持ちです。(どのあたりが成長したと感じるか) 今回の竜王戦は、自分の実力以上の結果を出せたのかなという気がしていて。・・・勢いでここまで来れたのかなと、正直感じています。(どんな七番勝負にしたいか) 実力的に足りない部分が多いと思うんですけど、注目していただける舞台なので、シリーズを盛り上げられるようにがんばりたいと思います。藤井竜王を追いかけて、ここまで来れた
(小学校3年での藤井竜王との初手合いについて) 小学生の時の対戦はほとんど記憶にないんですけど、自分としては藤井竜王を追いかけて、ここまで来れたのかなという気がしています。自分を引き上げてくれた存在だと思っています。(プロ入り3年でのタイトル挑戦、師匠の宮田利男八段について) プロ入りして3年でのタイトル挑戦というのは、自分の実力からしたら出来すぎだなと思っています。師匠については・・・本田さんも挑戦されてますし、タイトルを取ってから報告できればいいかなと思っています。(改めて意気込み) 本日は遅くまでご観戦下さり、ありがとうございました。藤井竜王とのシリーズは、皆さんに注目していただける舞台だと思うので、全力を尽くしてシリーズを盛り上げていければと思います。厳しい戦いになるので、目の前の一局に集中する
(藤井世代として) ・・・藤井世代と呼ばれるには、いい勝負をしないといけないので、・・・なるべくいい将棋をして盛り上げることです。(竜王戦ドリーム) 自分も2年連続でランキング戦で優勝できて、相性のよさということは、確かに感じています。しかし、相手が藤井竜王なので、かなり厳しい戦いになります。そのようなこと[竜王戦では、若くしてタイトルを取る例が多いということ]は意識せず、目の前の一局に集中できればと思っています。(最年少の顔合わせ) そうなんですね。うーん・・・。年齢については、あまり意識していなかったのですが、皆さんに注目していただけるならうれしいことです。
(文字起こしはここまで)
[第36期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局・永瀬拓矢王座-伊藤匠六段]
— 読売新聞写真部 (@tshashin) August 14, 2023
146手で伊藤六段が永瀬王座に勝利し、2連勝で藤井聡太竜王への挑戦権を獲得しました(若杉)
▼写真で観る竜王戦で対局を振り返るhttps://t.co/eQHwgkXghW#竜王戦 #永瀬拓矢 #伊藤匠 pic.twitter.com/0xn0qTc8K6
インタビューを聴いての印象
伊藤匠七段。じっくり考えて、落ち着いて話すタイプですね。決して饒舌ではないし、藤井竜王のように甲高い声でもありません。むしろ、ぼそぼそという感じですが、彼我のここまでの実績、立場を考えての慎重な発言でした。しかし、ここまでの勝ち上がり方を見ても、実力は十分あります。藤井聡太竜王名人の牙城を崩す可能性の一番高い棋士と言ってもいいのではないでしょうか。小学3年生の対局では、伊藤匠少年が勝ち藤井聡太少年は大泣きしたといいます。プロ入り後の戦績は、藤井2-0伊藤となっています。