ふきんとうだより

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『マリリン・モンローと原節子』 著・田村千穂 を読んで

マリリン・モンロー原節子』のあらまし

マリリン・モンロー原節子』は田村千穂によって書かれた本で、2015年筑摩選書から出版されています。セクシーなマリリン・モンローと永遠の処女のような原節子というのが一般的なイメージですが、二人がいかに多面的な魅力に満ちていたかを、重要な作品に即して生き生きと描いています。

著者が伝えたいこと

著者である田村千穂は、1950年代に最も輝いていた女優であるマリリン・モンロー原節子について詳しく語っています。二人とも1920年代に生まれ、1960年代初めにスクリーンを去りました。そのビジュアル・イメージは21世紀の今も広く流布し、誰もが知っているでしょう。しかし、「二人が最も美しく輝くのは映画の中だという肝心なことが忘れられている」と田村千穂は指摘しています。本書の「はじめに」から少し引用してみます。
マリリン・モンロー原節子、こんなにも有名で、誰もがステキだと賞賛する二人なのに、じっさいには、名前とごく限られたイメージしか知られていない。彼女たちは映画女優なのに、しかも同時代のアメリカと日本を代表する大スターだったのに、かんじんの映画のほうは、ほとんどまともに見られないまま、「ああ、その二人なら知っているよ」と言われて、それでおしまい・・・。
このままではいけない! と思い立って、書き始めたのがこの『マリリン・モンロー原節子』だ。

 

ここからもわかるように、著者である田村千穂は、マリリン・モンロー原節子が、映画作品の中でいかに美しく、魅力的なのかを作品ごとに、具体的に検証するために本書を著したのです。
 

ふきんとうのコメント

紹介の部分から、納得できる切り口です。マリリン・モンローという1950年代を代表するハリウッド女優。原節子も同時期、日本の銀幕で最も人気のあった女優と言っていいでしょう。しかし、名前と顔はよく知られているのに、その作品の中での彼女たちがあまり知られていないのは確かです。私自身、マリリン・モンローは何作か実際に見ていますが、原節子は全く見たことがありません。それで、本作を読みつつ、映画も改めて観賞したいところです。