ふきんとうだより

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阪神優勝で道頓堀ダイブ 奇跡の一枚

12/27(水)のNHK-R1の「マイあさ!」で2023年"SNSほっこり"ニュースが取り上げられました。その最後に登場したのが、阪神優勝に沸く道頓堀に一人の男性が飛び込む決定的な瞬間を写した「奇跡の一枚」というニュースです。語っているのは、ダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さん、野村正育アナ、星川幸アナです。
 

神庭的2023年"SNSほっこり"ニュース最後の一つは?道頓堀ダイブ 奇跡の一枚

 
(神庭) 道頓堀ライブ奇跡の一枚。
 
(野村) 道頓堀ダイブというとアレーですよね。(うれしさを噛みしめるように)
 
(神庭) そうなんです。アレ関連ですねえ。プロ野球阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を決めた9月14日に共同通信のカメラマン松嵜未来(まつざきみき)さんが激写した写真が大きな話題を呼びました。優勝を喜ぶ阪神ファンの方が大阪道頓堀の戎橋から道頓堀川に飛び込む決定的瞬間をとらえた一枚で、男性がこうエビゾリの体勢で夜の闇に吸い込まれていく様子を、完璧なアングルで切り取っているんですね。でまあよく見ると、その男性の表情がこう満面の笑みで。姿勢がまるでピーターパンのような感じにも見えると言う写真なんですけれども。
 

 

 

(野村) これは川の黒いところをバックにですかね。なんか浮かび上がるようにきれいに写ってますよね。写真としてはねえ。ただまあ、大前提として道頓堀ダイブは命の危険もありますし、絶対やってはダメ。ですよね?

 

 

どうやって撮影された?

 
(神庭) もちろんそうなんですね。まあ過去には死者も出てますから、絶対やめてほしいんですけれども、まあ、その上で。とは言え、やっぱりあまりにも美しすぎる構図にSNS上では「芸術点が高い」「これがプロの力か」「本当に良い写真。ピューリッツァー賞をあげたい」みたいなね。絶賛の声が広がりました。そして共同通信大阪支社のXアカウントが投稿した写真には、12万のいいね!が付きまして、4200万回以上も表示されたんですね。
 
(星川) まあ、高い位置から取られているようですけど、これどうやって撮影されたんでしょうか?
 
(神庭) 共同通信のnoteによりますと、カメラマンは地上と高所の二手に分かれたそうです。松崎さんは高所から400mmの望遠レンズで現場を伺っていた、っていうことなんですね。まあ警察官が警備する中で、物々しい様子の中で、一方で阪神ファンは歌ったり、道頓堀に飛び込んだりしていると。まあ、非常にそのカオスな状況の中で、この写真一枚でなんとかそのカオスな状況を表せないかっていうふうにアングルを考えていたところ、例の男性が飛び込もうとしたと。「あっ、飛び込む!」というふうに思ってシャッターを切ったときには、すでに遊歩道から体が浮かび上がっていたと言うことで。しかもですね。よく見るとわかるんですけれども、遊歩道で撮影していた別のカメラマンの方がいらっしゃって、その方がストロボを焚いてるんですね。そのもらいストロボのおかげで、光がバックから当たってより一層バッチリ綺麗に写ったという。そういう偶然もあったということなんです。
 
(野村) 確かにこの写真見ますとストロボは白く光っている様子がわかりますが、これがその飛び込んでいる男性をまあ浮かび上がらせていると。
 

 

危険な行為だけど、あまりに幸せそうなダイブ

 
(神庭) そうなんですよ。もちろんね、入念な準備があったからこそ、偶然が味方したんだと思いますけれども。あとね、先ほども言った通りで道頓堀ダイブって、決して推奨されない危険な行為なんですね。松崎さんは2019年に入社したばかりの若手なんですけれども、松崎さん自身にも葛藤があったそうで、最初はこの撮影した写真を会社に送るつもりっていうのはなかったそうなんですよね。ノートには、松崎さんのこんな想いが綴られています。「ですが、レンズの先の彼はあまりにも幸せそうな顔をして飛んでいました。警察官が戎橋を完全に封鎖する中、遊歩道から手足をきれいに伸ばし飛んでいきました。この写真を会社に送らない選択肢は、当時も今も私の中にはありませんでした」。と言うことで、葛藤がありつつも、最終的にはプロのカメラマンとしてこの写真を世に送り出したと言うことなんです。松崎さんは共同通信の採用ページで、こんなふうにも語っていて、「写真は勝ち負けがはっきりしているなといつも感じます。同じ時間、同じ現場にいて、同じ人物をとっていたはずなのに、出来上がった写真を見比べると、ほかのカメラマンに負けたと思わされることが多いです」。なんて殊勝に書いてるんですけど。この現場、まさにたくさんのカメラマンがいたと思うんです。けれども、その中で松崎さんだけがあの奇跡の一枚っていうのを撮れたっていうことを考えると、まあ圧勝したってことだと思うんですが、来年以降もね、ぜひこういう印象に残るような素晴らしい写真を撮っていただきたいななんて言うふうに思います。
 
(野村) これ自体は確かにニュースですからね。記録する意味があるのかと思いますが、ただその行為自体はですね、命に関わる事ですので、ファンの皆さんには、飛び込みは絶対にやめてください。
 

 

 

松嵜さんの思いが歴史の一コマを切り取った

共同通信・大阪支社のnoteには、もっと多くの写真が載せられており、どれほど入念な準備であったのかが説明されています。松嵜さんの思いも説明されています。本当は、甲子園球場で優勝の瞬間を撮影したかったものの、シフトの関係で道頓堀での撮影になった松嵜さん。「ええ写真撮ったるわー」という強い思いが歴史の一コマを切り取る報道写真を生んだのです。