作家の大崎善生さんが2024年8月3日亡くなられたことを、奥様である高橋和さんのツイートで知りました。
既報のとおり夫・大崎善生が8月3日早朝自宅にて亡くなりました。生前皆様には大変お世話になりました。
— 高橋 和@将棋の森 (@takahashiyamato) August 5, 2024
「聖の青春」や「将棋の子」「パイロットフィッシュ」などの作品を読んでいただきありがとうございました。どの作品にも大崎の優しさが詰まっていたと思います。
2年前にわかった時には⇒
わたしの書棚にも「聖の青春」が立っています。この作品を通してしか、大崎さんを知りませんでしたけど、奥様が女流棋士の高橋和さんだったと知って、きっとお幸せな人生だったんだろうと納得しています。この「聖の青春」は2冊目。初版が文庫化されてしばらくして購入したのですが、福島、千葉、ネパール、そして静岡と移転しているうちに見当たらなくなりました。コロナ禍で、また無性に読みたくなって、再購入しました。またじっくり読みます。
大崎善生さんのプロフィール
故・村山聖九段の生涯を描いた「聖(さとし)の青春」の著者。元「将棋世界」編集長を経て、作家になる。北海道札幌市出身で、早稲田大学を卒業。将棋界での経験や知己を活かし、ノンフィクションや小説を執筆しました。代表作のノンフィクション「聖の青春」第13回新潮学芸賞を受賞し、後に映画化されました。他にも「将棋の子」や「パイロットフィッシュ」などの作品が高く評価されています。66歳で亡くなりました。心からお悔やみ申し上げます。
藤井聡太王位から「生きる喜び与えられた」 がんで死を考えた「聖の青春」作家の20分間の祝辞【全文】:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/lGC5FuYsXB
— 銀杏(ぎんなん)@将棋ライター (@ginnan81) August 5, 2024
大崎善生さんは昨年11月の王位就位式で祝辞を寄せられました。
「聖の青春」は大崎さんのデビュー作
『聖(さとし)の青春』は、将棋棋士・村山聖の生涯を描いており、大崎善生さんのデビュー作です。2000年刊行。村山聖は幼少期に重い腎臓病(ネフローゼ)を患いながらも、将棋に情熱を注ぎ、名人の座を目指して戦い続けました。物語は、村山聖が将棋に魅了され、病と闘いながらもプロ棋士として成長していく姿を描いています。彼の師匠である森信雄との深い師弟愛や、家族との絆も重要なテーマとなっています。村山聖は29歳の若さで早逝しましたが、その生涯は多くの人々に感動を与えました。この作品は、将棋を知らない人でも楽しめる内容で、村山聖の人間味あふれるエピソードや、彼の真摯な生き方が心に響く一冊です。映画にもなっています。
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大崎善生さんのその他の代表作
1.パイロットフィッシュ (2001年刊行):
かつての恋人から19年ぶりにかかってきた一本の電話をきっかけに、主人公がこれまでに出会った人々を回想しながら、優しさの力を描いた青春小説です。この作品は吉川英治文学新人賞を受賞しています。
2.アジアンタムブルー (2002年刊行):
『パイロットフィッシュ』に続く恋愛小説で、余命幾ばくもない恋人との日々を描いています。ニースで過ごす二人の時間を通じて、喪失の悲しみと優しさが描かれています。
3.将棋の子 (2001年刊行):
将棋界に生きる人々の姿を描いたノンフィクション作品です。将棋に情熱を注ぐ若者たちの成長や葛藤を描き、講談社ノンフィクション賞を受賞しました。
どの作品も心に響く内容で、大崎善生さんの深い洞察力と感受性が感じられます。
大崎善生は「聖の青春」のほかに、奨励会退会者に暖かい心情を寄せた「将棋の子」、初の小説「パイロットフィッシュ」など、刊行した作品はいずれも好評で、新潮学芸賞、吉川英治文学新人賞などを受賞した。私生活では2003年に、以前から交際していた19歳年下の女流棋士の高橋和と結婚した。
— 田丸 雑学堂 (@NoboruTama0505) August 6, 2024