ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

MENU

大崎善生さん逝く

作家の大崎善生さんが2024年8月3日亡くなられたことを、奥様である高橋和さんのツイートで知りました。

わたしの書棚にも「聖の青春」が立っています。この作品を通してしか、大崎さんを知りませんでしたけど、奥様が女流棋士高橋和さんだったと知って、きっとお幸せな人生だったんだろうと納得しています。この「聖の青春」は2冊目。初版が文庫化されてしばらくして購入したのですが、福島、千葉、ネパール、そして静岡と移転しているうちに見当たらなくなりました。コロナ禍で、また無性に読みたくなって、再購入しました。またじっくり読みます。

大崎善生さんのプロフィール

故・村山聖九段の生涯を描いた「聖(さとし)の青春」の著者。元「将棋世界」編集長を経て、作家になる。北海道札幌市出身で、早稲田大学を卒業。将棋界での経験や知己を活かし、ノンフィクションや小説を執筆しました。代表作のノンフィクション「聖の青春」第13回新潮学芸賞を受賞し、後に映画化されました。他にも「将棋の子」や「パイロットフィッシュ」などの作品が高く評価されています。66歳で亡くなりました。心からお悔やみ申し上げます。

「聖の青春」は大崎さんのデビュー作

『聖(さとし)の青春』は、将棋棋士村山聖の生涯を描いており、大崎善生さんのデビュー作です。2000年刊行。村山聖は幼少期に重い腎臓病(ネフローゼ)を患いながらも、将棋に情熱を注ぎ、名人の座を目指して戦い続けました。物語は、村山聖が将棋に魅了され、病と闘いながらもプロ棋士として成長していく姿を描いています。彼の師匠である森信雄との深い師弟愛や、家族との絆も重要なテーマとなっています。村山聖は29歳の若さで早逝しましたが、その生涯は多くの人々に感動を与えました。この作品は、将棋を知らない人でも楽しめる内容で、村山聖の人間味あふれるエピソードや、彼の真摯な生き方が心に響く一冊です。映画にもなっています。

 

大崎善生さんのその他の代表作

1.パイロットフィッシュ (2001年刊行):

かつての恋人から19年ぶりにかかってきた一本の電話をきっかけに、主人公がこれまでに出会った人々を回想しながら、優しさの力を描いた青春小説です。この作品は吉川英治文学新人賞を受賞しています。

2.アジアンタムブルー (2002年刊行):

パイロットフィッシュ』に続く恋愛小説で、余命幾ばくもない恋人との日々を描いています。ニースで過ごす二人の時間を通じて、喪失の悲しみと優しさが描かれています。

3.将棋の子 (2001年刊行):

将棋界に生きる人々の姿を描いたノンフィクション作品です。将棋に情熱を注ぐ若者たちの成長や葛藤を描き、講談社ノンフィクション賞を受賞しました。
どの作品も心に響く内容で、大崎善生さんの深い洞察力と感受性が感じられます。