ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太竜王対伊藤匠七段 同い年対決 竜王戦第一局 藤井竜王が先勝

第36期竜王戦第一局、藤井竜王が押し切る

八冠制覇目前の藤井聡太竜王。将棋界の「若き帝王」です。対する挑戦者は、予選5組から全勝で勝ち上がって来た伊藤匠七段。現時点では、藤井聡太竜王ほど注目されていませんが、同い年ということもあり、藤井竜王を追いかけている棋士と言っていいでしょう。第36期竜王戦で激突。第一局は藤井聡太竜王が、中盤以降完璧な指し回しで、挑戦者・伊藤匠七段を押し切りました。

 

 

両対局者のプロフィール

藤井聡太竜王

2002/7/19生まれの21歳。現在、将棋界最強でタイトル八冠のうち七冠を所持しています。残る王座もあと一勝で奪取という所まで来ました。2023年度は24勝5敗(勝率.828)。通算成績は341勝68敗 (.834)。最近はほとんどタイトル戦なのに、8割を維持しているのは、異次元の強さです。

伊藤匠七段

2002/10/10生まれの20歳。今シリーズ中には、21歳になります。2023年度は、32勝8敗 (.800)。通算成績は、110勝34敗(.764)。藤井聡太竜王よりも遅いデビューで、タイトル戦初登場です。相掛かりを得意としており、AIによる研究もかなりしているので、藤井聡太竜王のタイトルを脅かす可能性は大いにありです。
竜王位挑戦者に決まった直後のインタビューでは、「年齢は意識していない。目の前の一局に集中する」と決意を語っていました。

ここまでの両者の直接対決は、藤井聡太竜王の3勝0敗。(今回の結果も含めてあります)

fukinto.com

 

 

第一局・一日目

振り駒の結果、先手・伊藤匠七段となりました。戦型は、伊藤匠七段得意の相掛かり。藤井聡太竜王も堂々と応じました。角交換のあと、7,8筋での攻め合いが開始。先手は2筋にも手を付けたため、指し手は激しい順になりました。

一日目・昼食

 
渡辺明九段によれば、一日目昼食休憩の時点で、すでに終盤の入り口だそうです。それはいくら何でも早過ぎるだろうということで、先手47手目で伊藤匠七段2時間9分の長考。その後、藤井聡太竜王も大長考に沈みました。封じ手の時点で、藤井57:43伊藤。

第一局・二日目

伊藤匠七段の封じ手は大方の予想と異なる手で、千日手の含みを持たせる手順に進みました。しかし、藤井竜王が飛車を切って、桂を飛んだために伊藤匠七段が再び長考に。
 

昼食

 

終盤

15時の時点で、藤井69:31伊藤となっています。表情こそ二人とも淡々としていますが、伊藤匠七段の考慮時間が長くなっていることから、形勢が不利であることは意識してそうです。95分の長考。その後も、際どい形勢に持っていくことが出来ず、伊藤匠七段82手で無念の投了となりました。
 

終局後のインタビュー

藤井聡太竜王

序盤は抑え込まれる形で、あまり自信がなかったです。(千日手模様について) 成算はなかったですが、仕方なく打開しました。(どのあたりでよくなったと思いましたか) 9七角成あたりで手厚くなったと思いました。
 

伊藤匠七段 

一日目に長考して指した手がおかしかったです。その後、よくなかったです。封じ手以降不自然な手が続きました。本局は内容が良くなかったので、次回以降、内容をよくしたいです。
 

第二局の展望

第二局は10/17,18に京都市仁和寺で行われます。今度は、藤井聡太竜王が先手番なので、角換わりになる可能性が高いでしょう。対する伊藤匠七段も、振り飛車は全く指しませんので、受けて立つ形になるはず。どこで、研究手順をはずれるのか、どんな工夫があるのか注目です。