ふきんとうだより

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藤井聡太名人対永瀬拓矢王座　王座戦第一局　昼夜連続の陣屋カレーで永瀬王座が勝利

将棋

八冠制覇を目指す藤井聡太名人対名誉王座を目指す永瀬拓矢王座の熱い戦い

8/31に神奈川県秦野市元湯陣屋で行われた王座戦第一局。藤井聡太名人が3勝すれば、八冠すべてを制覇することになります。しかし、永瀬拓矢王座も防衛すれば、連続５期王座となり、名誉王座に。「若き帝王」対「鬼軍曹」の熱い戦いが始まりました。
 

戦型は角換わり

振り駒の結果、藤井聡太名人が先手となりました。藤井聡太名人が振り駒で先手となる確率が高いように感じますが、実際はどうなのでしょうか?　こちらのサイト

藤井聡太竜王・名人/七冠、振り駒先手番率・振り駒結果一覧 | 藤井聡太を忖度なしで応援するブログ

によれば、2023年度の藤井聡太名人は、振り駒で先手になったのが75%ということで、最近はやはり振り駒なら先手になることが多いようです。ただし、通算では49.6%ですから、ほぼ半々ですね。いずれにしても、藤井名人は先手番では高い勝率ですし、得意の角換わりということで、この第一局も数字的には先手・藤井聡太名人がやや有利です。
その藤井聡太名人の先手・角換わりを受けて立った永瀬拓矢王座。早繰り銀で対抗です。昼食休憩前までは、ほぼ互角の形勢。
 

昼食は陣屋カレー

対局の行われた元湯陣屋は秦野市の鶴巻温泉にあります。升田幸三実力制第四代名人の陣屋事件でで有名な旅館ですが、豪華なカレーが名物なんですね。
 
 

中盤

午後に入って、藤井名人の自陣に打った角が働き始めます。評価値も少しずつ藤井名人に傾きますが、まだ55-60%くらいなので、まだ互角というところでしょう。
 

夕食休憩

この時点での評価値は藤井64:36永瀬。藤井名人がやや指しやすいようです。
夕食は藤井名人がおにぎり二個。永瀬拓矢王座は何と、またしても陣屋カレー。30分間の休憩に、豪華なカレーで大丈夫だろうか?解説の飯野愛女流初段もびっくり!「永瀬王座の人気の理由が分かるような気がします。・・・これを30分で食べるんですか」??全部食べるかどうかは分かりませんが、永瀬王座は昨年の陣屋での対局でも、昼夜ともに陣屋カレーだったようで、陣屋ではカレーと決めているのかもしれません。解説の渡辺明九段によれば、17:30の夕食休憩以外に、終局後にきちんとした食事が出るので、あれは間食みたいなものだそうです。
 
 

夕食休憩後から終盤

藤井名人がと金を作って永瀬玉に迫ります。渡辺九段は評価値ほど藤井名人がいいとは思えないとの解説。藤井名人の桂跳びで54%まで落ちます。☗4七玉でついに48%になりました。持ち時間が10分前後になり、評価値はやや永瀬王座に振れます。しかし、☖2六香が疑問だったのか再び藤井名人に振れます。☗同飛で再び永瀬王座に。両者1分将棋となってからも長い終盤が続きましたが、最後は攻守ともに手堅く指した永瀬王座が緒戦をものにしました。
 
 

藤井名人有利と思われたが

先手角換わりということで、藤井名人有利かと思われましたが、鬼軍曹・永瀬王座が陣屋カレーの連続技で押し切りました。正直言うと、夕食休憩時の評価値と食事の内容を見て、僕は「藤井名人の勝ちだな」と思ったのです。あんなに食べたら、集中力が続かないだろうと。しかし、そんな考えを吹き飛ばすような永瀬王座の勝利でした。