藤井聡太名人のお株を奪うような永瀬拓矢王座の妙手
七冠誕生の時、王座は言った。「もし戦うことになったら、今までの棋士人生で得た全てのものを外に出力しながら戦わないといけないなと思います」。まさに棋士人生を盤上に出力した勝局。1三で耐える玉は、駒というよりも永瀬さんという棋士そのものに見えた。 pic.twitter.com/lp457pC1sm
— 北野新太/朝日新聞社 (@kitanoarata1980) August 31, 2023
永瀬王座の気迫の指し手
例えば、永瀬王座の☖2六香。これは藤井聡太名人が取らずに☗3三ととしていれば藤井聡太名人の方が若干良かったと思いますが、☗同飛と応じたために形勢は互角に戻りました。永瀬王座の香打ちが藤井名人の判断を誤らせたとも考えられます。そして、☖5一飛。この手は確かに永瀬王座が「棋士人生を賭けて」指したと言っていいでしょう。
第二局の勝敗が大きい
第二局は永瀬王座が先手番。数字的には、先手番の藤井名人より強い相手はいないわけですから、永瀬王座が若干指しやすいかもしれません。もちろん、指しやすいと言っても「若き帝王」ですし、連敗はほとんどしない藤井聡太名人ですから、大熱戦になることは間違いありません。いずれにしても、第二局の勝敗が、このシリーズの行方を大きく左右しそうです。