戦型は角換わり腰掛け銀再び
後手番、先手番の第一局と第二局と連勝した藤井王座。後手番となった本局は、永瀬拓矢九段と採用した角換わり腰掛け銀に応じて同形から後手の藤井王座は右玉としました。この戦型は、先後ともに藤井王座が最も得意とする形で、めったに負けることはありません。しかし、あえてそこに連続して踏み込んできた軍曹・永瀬拓矢九段。その意気込みのとんでもない熱さを感じます。そして、ドラマは最終盤に起きます。
第72期王座戦第3局、大盤解説会。
— 栗原葉子 (@happa_no_yoko) September 30, 2024
最終盤、藤井王座の9六香が打たれたとき、山崎八段が「あ!歩を打たせるのを誘ってるってこと!?」と解説してくれ、場内騒然。鳥肌がたった。
歩を打った永瀬九段が逆転を悟ったように見えたあと、みんなで最後まで静かに見守ったあの数手の時間。泣きそうだった。 pic.twitter.com/kFv0imiqpp
☖9六香☗9七歩で大逆転
この局面で桂合だけが唯一の正解だなんてエグすぎるわね。。。お疲れ様でした。(´・ω・`) #王座戦 pic.twitter.com/ypRY80OQtw
— マニラの覇王🦁小松由子 (@KMQLove19) September 30, 2024
局後のインタビューでは、永瀬九段は「☖9六香はまったく読んでいませんでした。☗9七桂は最初に浮かんだ手ですが、それで自玉が詰まないという所まで読むべきでした」と述べていたので、確信が持てるほど読み切れなかったようです。絶体絶命の状況で、最善手を選んだ、藤井王座を褒めるべきでしょう。評価値も85:15くらいでしたから、先手勝勢だったとはいえ、紛れる要素があったということですね。
永瀬7-18藤井
これで両者の対戦成績は通算で、永瀬九段の7勝、藤井聡太七冠の18勝となりました。
対藤井聡太七冠 敗戦数上位者
— あさねぼう (@asanebou13) September 30, 2024
豊島将之 12-26 (.316)
渡辺明 5-24 (.172)
永瀬拓矢 7-18 (.280)
羽生善治 3-14 (.176)
菅井竜也 4-13 (.235)
伊藤匠 3-1-12(.200)
広瀬章人 3-11 (.214)
佐々木大地 4-10 (.286)
永瀬拓矢九段が18敗目