ふきんとうだより

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なぎら健壱さんが名曲遺産でフォークを語る

NHKラジオR1にフォークシンガーのなぎら健壱さんがゲスト出演されました。パーソナリティの六角精児さんの大先輩にあたる方です。4/13は六角精児さんが9時台までの出演だったため、10時台はなぎら健壱さんの名曲遺産となりました。さあ、どんな隠れた名曲、エピソードが飛び出すでしょうか。

 

なぎら健壱さんのプロフィール

なぎら健壱さんは、1952年4月16日生まれ(70歳・・・もうすぐ71ですね)のシンガーソングライター、俳優、タレント。東京都中央区銀座(旧・木挽町)出身。彼は音楽活動だけでなく、俳優としても活躍しています。フォークソングの作り手、歌い手にとどまらず、その歴史や奏法にも造詣が深いことで有名。

 

なぎら健壱のフォークとはなんぞや

聞き手、進行は澤田彩香アナです。 

澤田 なぎらさん、今日はフォークについてたっぷりお話いただきます。

なぎら まあ、トントントンと軽くですけども、フォークとはなんぞやというのを、ちょっとなぎら流で話してみたいと思います。

 

善行のために歩いている?

澤田 一つ質問が来ていまして、福島県67歳の「菜の花咲いた」さんから。『なぎら健壱さん、待ってました。なぎら節をいっぱい聴かせてください。今朝は何時に起きましたか?何か楽しいことをやっていますか?』

なぎら 今朝は6時ごろですかね。ああ、楽しいことですか。なんでしょう。コロナからあんまり楽しいことがね(ないですね)。変わっちゃってね、形態が。だから、家でお酒を飲むこと、あるいは、えっと思うかもしれませんけれども、歩くこと。あのいわゆるウォーキングじゃないです。善行するためです。夜、倒れてる自転車を起こしたり、ゴミを拾ったり、吸い殻を拾ったりするような人間になりたいな、というように思いながら歩いているんです。

澤田 実際やってらっしゃる? 

なぎら 実際、歩いてるだけです。善行はこれからそう、善行はこれからいろいろやろうと思ってますけども。あの、なんかぼっーと、歩いてるのが好きで。それから昼間はね、ちょっと写真の仕事もやってますので、カメラを抱えて、東京都内を歩くのは好きですね。あのう、だからフィールドっていうか、この緑がたくさんあるところというよりも、こう都会のごちゃごちゃしたところが好きですかね。

澤田 早速、内容に入っていこうと思いますけれども、10時台、今日は特別企画で、さらになぎらさんの音楽談義をディープにお送りしていこうと思っています。

 

フォークソングアメリカ発祥

なぎら ええ、今日はですね。まあフォークソングとはなんぞや?って、なぎら健壱がフォークにのめり込む時代の話をしてみたいと思います。ああ、そうだったのという人もいればですね。おお、懐かしいですねっていう人もおると思いますけど。まずね、このフォークソングというはアメリカで火がついたんですね。ブラザーズフォーというバンドとか、キングストントリオ。そしてピーター・ポール・アンドマリー、PPMというようなバンドが流行ってね。これをですね。よくモダン・フォークと言う人がいますけれども。これは間違いですね。はい。モダン・フォークっていうのは和製英語です。ええ日本で言われてるだけなんです。本当は向こうでは、コンテンポラリー・フォークって言いますね。(Longman English Dictionaryによれば、contemporary = modern ということなので、モダン・フォークというのも、あながち間違いとは言い切れないかもです。ちなみに、contemporary に「都会の」urban という意味はありません) 都会派のフォークっていうことなんですね。フォークと呼んだのは都会だけです。田舎のほうじゃ当たり前にあるからフォークと言わなかったんですね。都会に出てきた時に、その民謡的な味わいをというので、フォークと付けたんですね。それが、日本の学生さんたちに飛火して行きますね。それで大学生たちが歌い始めます。当時、流行ったやつはですね。例えば「若者たち」です。(ここで、なぎらさんはギターでさわりだけ弾き語ります) ブロードサイドフォーというね、その一員には、黒沢明監督の息子さんの久雄さんという方がいらっしゃるんですね。そして、こういう歌ですね。「バラが咲いた」マイク真木さんという方ですね。で、その黒澤さんが同じ学校にいた女性を引っ張るんですね。ただ、その女性はジャズをやりたいから、フォークなんかやりたくないって言って、だだこねたんですけれども、歌うまいんだからやれよっていうことで、それでやったのが、「この広い野原いっぱい」ってええ、森山良子さん。これがですね、のちに広がっていきましてですね。うん。まあ、そうですね。キャンパス・フォークとかカレッジ・フォークと呼ばれますね。で、その以前にあったブーム。あのご存知でしょうか?エレキブームとかあってですね。エレキギターのブーム。GSというのがありましてね。グループサウンズGSという言葉を聞いたことがあります。テンプターズ、ブルーシャトーねえ。若者をエレキサウンドがとりこにして行きますね。で、我々もエレキが欲しいんですよ。、欲しいんですけども買えないんです。高いし、買ったとしてもシャコシャコしてダメなんですね。ちゃんと繋がなきゃダメなんですよ。それでアンプなんか家で鳴らしたら怒られますからね。しょうがないですから、皆さんが生ギターを買います。今、アコースティック・ギターって言いますけど、買いましてですね。ところがまだフォークギターって言葉もないんです。

澤田 フォーク・ギターはイコール、アコースティック・ギターですか?

なぎら ウエスタン・ギターって言ってたんですよ。フォーク・ギターって名前ができるのがですね。ええ、1966年にはY社(ヤマハって社名出してもいいんじゃないの。歴史的なことでしょ)が出しました。ええ。yg180と言ってたんです。fgというのも出ましたね。これはフォークギターですね。うん、ええ。まあ、それで普通のギターで、(ベンチャーズの一節を弾きながら) こんなことやってんですよ。ところが、やっぱり面白くもなんともないでしょう。このギターに合わないですよ。違う、全然違いますね。それでなんか合う歌ないかなと思ってたら、そこにちょうどフォークソングが来るわけですよ。それでみんな「バラが咲いた。バラが咲いた」になっていっちゃうわけですね。

 

ちょっと違うんじゃないかと言い出した高石ともや

ところがなんかええ、そういう歌ってのは違うんじゃないかということを言い始める人がいるんですね。きれいきれいだし、なんかそれ、全部作曲作詞家の先生が作ってるんじゃないかと、なんで自作自演をしないんだっていうことを言い始める人たちが出てくるんです。そういえば、その「バラが咲いた」も、濱口蔵之介さんというプロの先生が作ってるし、「若者たち」も違うんですね。これは黒澤映画の映画音楽をやってた方が作ったんですね。それで、自作しようじゃないかと、あるいは、向こうの歌を訳して唄おうじゃないかということの筆頭に出てきますのが、高石ともや。私、驚いたのは雑誌を見ましてね、「バラが咲いた」なんてあんな歌全然フォークでもなんでもないじゃないかと。名指しでマイク真木なんてのは、あれは歌い手じゃない、フォークシンガーなんかじゃないなんて言ってるんですよ。なんでひどいこと言うんだろうなと思って。それでえっ、坂本九を民衆の歌だなんて言ってるけども、民衆の歌でもなんでもない。いわゆる高級なところに住んで歌ってるだけじゃないかというね。なんだこの人と思ってええ、じゃあ、聞きに行ってみようかなと思ったんですよ。