まだ暑い日が続いていますが、着実に朝晩は秋の気配を感じていることでしょう。
秋に聴くしみじみとする曲
こんな季節に、聴きたくなる曲を今回は2曲ご紹介します。どちらも、あえて分類するとすれば、フォークなのかなと思いますが、しみじみとする名曲です。
オフコース 「秋の気配」
まず、最初のご紹介するのは、オフコースの「秋の気配」。今の季節そのものですね。「秋の気配」は、1977年にリリースされたシングルで、アルバム『JUNKTION』に収録されています。小田和正が作詞・作曲を手掛けており、別れの言葉を探す恋人の心情を歌ったものです。
「秋の気配」の歌詞
あれがあなたの好きな場所港が見下ろせる小高い公園あなたの声が小さくなる僕は黙って外を見てる眼を閉じて 息を止めてさかのぼる ほんの一時ー「秋の気配」の出だし
「秋の気配」の考察
歌詞には、「秋の気配」を直接表す表現が、出てこないのですが、これまで愛し合っていた二人が別れていくということが「秋」そのものなのでしょう。「港が見下ろせる小高い公園」とは、横浜の「港の見える丘公園」を指していると言われています。ちなみに、オフコースには「夏の終り」という、やはり、季節をそのままタイトルにしている曲があるのですが、どうもこの二曲は密接につながっているようなのです。
この時期、オフコースのきれいなハーモニーと切ない旋律があなたをひと足早く秋に連れて行ってくれることでしょう。
トワ・エ・モワ 「誰もいない海」
「誰もいない海」は、トワ・エ・モワが1970年にリリースしたシングルです。この曲は、山口洋子が作詞し、内藤法美が作曲しました。フォークジャンルの楽曲で、トワ・エ・モワの代表曲の一つとして知られていますが、多くの人に歌われているスタンダードな曲と言ってもいいでしょう。
「誰もいない海」の歌詞
今はもう秋 誰もいない海知らん顔して 人が行き過ぎても私は忘れない海に約束したからつらくても つらくても死にはしないとー「誰もいない海」一番
「誰もいない海」の考察
この曲は、秋の寂しさや孤独感をテーマにしており、冒頭に「今はもう秋、誰もいない海」というフレーズが出て来ます。自分以外に「誰もいない海」は、確かに荒涼としていて、秋のなんとも言えない寂寥感が伝わって来ます。そして、「死にはしない」と来ると、いきなりどうしたのかと驚くのですが、三番に、
「愛しい面影 帰らなくても私は忘れない空に約束したから一人でも 一人でも死にはしないと」
とあるので、最愛の人が亡くなったのだと分かります。死にたくなるくらいつらい別れでした。でも、「死にはしない」と、何とか前を向こうとしている意志が明るさを呼び戻します。
この二曲、この季節に聴いてほしい珠玉の名曲です。