ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

MENU

ふきのとう 冬のおすすめ 『白い冬』『夕暮れの街』

12/7 『夕暮れの街』の部分を追加しました。
 
今年は夏がいつもより長くて、秋が短かったですね。今、12月初めですが、しっかりと冷えてきました。そして、2023年のカレンダーは着実に残り少なくなって、来年のことを考える季節になってしまいました。こんな冬の初めに聴きたくなる、ふきのとうの名曲を紹介します。
 

『白い冬』はふきのとうのデビュー曲

この曲、ふきのとうファンなら知らない人はいないはず。ふきのとうのデビュー曲です。1974年9月21日にシングルとして発売。B面が『夕暮れの街』でした。そして、この曲『白い冬』は、ふきのとうをよく知らない人たちにも、知られている曲No.1ではないでしょうか。何と言っても、オリコンで14位まで行ったんですからね。次に『春雷』が22位にランクインしています。まあ、ふきのとうの曲は、そんなランクに関係なく、ほのぼのとする名曲ぞろいなのです。
作詞 工藤忠幸
作曲 山木康世
 

『白い冬』の歌詞

 
一人で想う 秋はもう深く
過ぎ去れば 空しく消えた日々
あなたに逢えた 秋はもう遠く
迎えつつあるは 悲しい白い冬
ー 『白い冬』の出だし

 

 

彼女の面影を枯葉の中に捨てる男性

 

『白い冬』は物悲しい冬の初め
「あなたに会えた」は秋の初め。9月半ばでしょうか。しかし、冬の初め。ちょうど今頃です。12月の上旬には「悲しい白い冬」を「一人で」迎えている訳です。物悲しくて、やりきれない、ふきのとうを代表する一曲となりました。
 

『夕暮れの街』

作詞・作曲 山木康世

 

 
デビューシングルでは『白い冬』のB面となりましたが、実はふきのとうの二人にとっては、『夕暮れの街』の方が想い入れが大きいようです。山木さんはこう語っています。
「あの曲(白い冬)もね、確かにいい曲だとは思うけど、僕らのアマチュア時代の代表的作品でも何でもなかったんです。あの曲は工藤君という僕の友人の詩に、僕が即興的にメロディーをつけた曲で、むしろデビュー曲にはしたくないとさえ思っていたんです。でも、「売れたら、その後は君たちの好きなようにやっていい」というのが、やはり殺し文句だったね(笑)」 エッセイ集「思い出通り雨」p73-74より
一方、『夕暮れの街』は1973年5月の「バイタリス全国フォーク音楽祭」で作曲賞を受賞。アマチュア時代のふきのとうを代表する曲であり、こちらでプロデビューしたかったのでしょう。
 

『夕暮れの街』の歌詞

 
オレンジ色の空の下
帰る君を乗せたバスが見える
サヨナラ 君はもういない
僕もいつもの道を一人
帰ろうかな 
 
『夕暮れの街』の出だし

バスに乗る君をただ見送る僕 夕暮れの街

『夕暮れの街』は素朴でまじめなフォークソング

この曲の歌詞は、とても素朴。バスに乗った君は僕の憧れの人なのですが、おそらく僕は、自分の気持ちを伝えられないまま、バスに乗った君をただ見送っているのです。夕暮れの静かな街と淋しさに耐えながら帰るボクの心の情景を歌ったまじめなフォークソングです。歌詞には明確な季節が織り込まれていませんが、晩秋か初冬の「オレンジ色の空」でしょう。
 
『白い冬』は、日本のフォークソングの名曲の一つとして、今でも多くの人に愛されています。そして、ふきのとうのアマチュア時代の代表曲「夕暮れの街』。この2曲を聴いて、秋から冬へと移り変わる季節の風景や、切ない恋心を感じてみてください。