「若き帝王」藤井聡太名人の突出した強さ
ここまで史上最速で七冠に到達した藤井聡太名人。わたしは、よく「若き帝王」という形容詞を使いますが、将棋界のタイトルをほぼ取り、Aクラスの強豪たちを相手にしても、番将棋でこれまで一度も負けていないのですから、レーティングから見ても突出した強さと言えるでしょう。
本日は名人就位式でした。
本日は藤井聡太名人の就位式に出席致しました。大空を羽ばたく藤井さんにピッタリな羽田空港で、新名人を祝福する熱気溢れる会となりました。 https://t.co/uoPdiwgwnw
— 羽生善治 (@yoshiharuhabu) August 7, 2023
「燃える軍曹」永瀬拓矢王座
藤井聡太名人にとって残るタイトルは「王座」のみとなりましたが、ここまで来るとドラマとしてはお膳立てが出来過ぎています。対する永瀬拓矢王座、別称「軍曹」は、これまで最も多くの練習対局を藤井聡太名人と重ねてきているからです。軍曹は、「自分の持つものすべてを尽くして、タイトル戦に臨む」と語っており、「若き帝王」対「燃える軍曹」の熱い戦いとなるでしょう。
村)「才能のある人の多い将棋界で、才能のない自分がどれだけやれるか。まだ何も証明していないので、これから証明したいと思っています」
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) August 4, 2023
永瀬拓矢王座は研究パートナーで「軍曹」 藤井聡太「八冠」阻止狙う:朝日新聞デジタル https://t.co/aJMgL4PHvz #
藤井聡太VS永瀬拓矢の練習対局
藤井聡太名人は四段の時から永瀬拓矢王座と練習対局を重ねてきました。最近は、さすがにしてないだろうと思っていましたが、先日の挑戦者決定戦の局後のインタビューでは、「先月まで指していただいていた」と述べており、棋聖戦での直接対決の前は休んだものの、その後再開していたようです。それで、王座戦の前も一旦練習対局は休み、王座戦終了後に再開するつもりです。永瀬拓矢王座はただ指すのではなく、毎回作戦を練って来て真剣に指しているのは、やはり「燃える軍曹」です。
「王座戦」(8/31から)の見どころ
藤井聡太名人は「八冠制覇」はあまり意識していないと述べています。これは本心だと思います。将棋の真理を追求しているので、おそらく対局前から「いかに勝つか」ではなく、「いかに最善手を指すか」に集中してくるでしょう。