ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太竜王 名人戦第五局を制し最年少名人に

藤井聡太最年少名人誕生


2023/6/1(木)午後6 :54、渡辺名人が投了。
藤井聡太竜王が最年少名人となりました。おめでとうございます!
これまでの最年少名人は谷川浩司十七世名人の21歳2ヶ月。
藤井聡太新名人は現在、20歳10ヶ月。

第五局(長野県高山村・緑霞山宿 藤井荘にて)の内容

1日目
以前なら角換わりに進む出だしでしたが、後手の藤井竜王は角交換を拒み、雁木に組んで4二玉にします。先手の渡辺名人は一手玉を右に移動した形。そして双方とも腰掛け銀に。実は、20手目の時点でABEMAで「渡辺名人の勝ち」のテロップが入るハプニングがありびっくり。

 

昼休みに入る前に藤井竜王が長考に入り、残り時間が1時間半ほど名人より少なくなりました。評価値は50:50。高見七段と戸辺七段の食レポがおかしかった。
渡辺名人は握り寿司、藤井竜王は信州ボーク勝カレー。
午後の開始1分前にお茶を飲もうとした藤井竜王ですが、湯飲みを持っただけで、結局考え始めました。1分後対局再開後、おもむろに再度湯飲みを持ち、お茶を飲まれました。渡辺名人は7七桂とし菊水矢倉に組みました。6筋から藤井竜王が仕掛け。このやりとりで評価値がわずかに渡辺名人に振れました。56手目を藤井竜王が封じました。
2日目
封じ手は☖9五歩と端に手を付けました。そして4七銀と打ち込み、攻め合いに。
形勢は徐々に渡辺名人が良くなっている感じです。
昼食は、渡辺名人が信州ボーク勝カレー(サラダ・デザートなし)。藤井竜王が信州蕎麦と天麩羅膳。この辺りでは、二人とも食事を堪能する気持ちにはなれなかったのではないでしょうか。藤井竜王は、たいがい早めに戻って来て、読んでいることが多いです。
藤井竜王は6六角と飛び出しました。ここで渡辺名人は長考の末指した手を悔やむことになります。金で角を取っていれば、まだ先手の方が良かった模様です。しかし、ここから紛れていきます。渡辺名人は攻めに何か誤算があったのでしょうか。藤井玉は守りが薄いものの簡単に寄らない形になりました。一方渡辺玉は堅かったものの、三方から攻められて一気に危ない状況になっていきました。両者がコメントしているように、後手の6六角がポイントになり、その後、飛車の打ち込みで藤井竜王が鮮やかに寄せました。
 

終局後のコメント

藤井聡太新名人
(雁木について) (負けた)第三局と同じ展開にするつもりでした。
(菊水矢倉について) はっきり作戦負けでした。
(☖9五歩について) 苦しかったので勝負しようと。玉が薄くて苦しかったです。
(☖4六角打ちのあたり) 玉形の差が出る展開でした。4六角は勝負手でした。
(☗3一桂成あたり) 仕方のない展開だと思います。夕食休憩あたりでは、まだ複雑な局面で、勝ちを意識したのは 飛車を打ち込んだあたりです。第五局は序盤で失敗しました。
(シリーズ全体・名人を獲得して) まだ実感はないんですけど・・・非常にうれしく思います。今後名人にふさわしい将棋を指していきたいです。
(最年少名人について) あまり意識していなかったですが、一歩ずつ昇ってくることが出来てうれしい。
(七冠について) 意識していなかったのですが・・・課題が多く出たシリーズでした。そういう意味で収穫がありました。
(王座戦について) 少しでも上を目指していきたいです。
(将棋界の頂点に立ったという気持ちは) 重い立場だと思うので、ふさわしい将棋を指したい。
記者会見で
(名人の色紙を持っての記念撮影・フラッシュがまぶしそうです)
(実感は?) 少しずつわいてきました。
(最年少名人について) 意識してはいませんでしたが・・・谷川先生の記録を更新できてうれしいです。
(羽生九段以来の七冠) 羽生先生は全冠なので特別です。
(八冠に向けて) しっかり準備して臨みたい。
(師匠に向けて)・・・(なかなか言葉にならず) 師匠が50代で昇級したことがすばらしいです。自分はその時昇級できなかったのですが、師匠の姿を見て頑張ろうと思いました。それが今につながっていると思います。
(名人という意味について・芸を極めるという意味合いもあるが) 将棋を極める、自分がそこに到達しているとは思えないです。ふさわしい将棋を指せるよう頑張らねばと思います。
(全冠制覇について)現時点ではまだまだ遠いと思っています。目指せること自体が、光栄なことです。少しでも近づきたいと思います。
渡辺名人
第三局のような将棋を目指しました。前例もあるので。3七桂、9五歩は想定内でした。(藤井新名人のコメント中、がっくりしていたのが印象的でした)
四,五局目の内容が悪かったことが残念です。
(攻めの手ごたえ) 先手がいけるとしたら、その手順かなと思っていました。6六角のあたりで読み間違えました。他の手を指すべきでした。
(一局を振り返って) 6六角がポイントだった。残念な一局。
(藤井竜王と指してみて) 息の長い将棋が多かった。複雑な局面で差が出てしまいました。
(失冠について) 負けた将棋はチャンスが少なかったので、この結果は仕方がないです。
(無冠について) ここ3年くらいのタイトル戦の戦いを見れば仕方がない。当然の結果です。

谷川浩司十七世名人のコメント
記録というのはそれに相応しい人が持つべき、
と考えるようになりました。
40年前の言葉をもう一度使わせて頂くと、
中原十六世名人からお預かりした最年少名人の記録を、
無事、藤井新名人にお渡しできた、という心境です。
名人獲得と七冠達成を心よりお慶び申し上げます。

藤井時代の本格到来

名人位を獲得し、本格的な「藤井時代」になったと言っていいでしょう。今後、さらに強さを増していくことが予想されます。