ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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ふきのとう 出会いと別れ②

今回は、「ふきのとう 出会いと別れ①」の続きです。
①はこちら

 

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「君をいつまでも忘れない」心に沁みる歌

ふきのとうには失恋、別れの歌がたくさんあります。もちろん、出会い、恋、喜びを歌っている曲もたくさんありますが、ふきのとうらしさが出ているのは、どちらかというと、別れの曲だと思うのです。年と共に心に沁みてきます。その中でも、僕がおすすめしたい曲は、「君をいつまでも忘れない」です。この曲は1978年に発表されたアルバム「思い出通り雨」に収録されています。どんな背景で作られた曲なのか、ご存じない方は先入観なしで、まずは聴いてみてください。
 

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竹田さんとの別れを歌っている

この曲を初めて聴いたのは、発売直後の1978年、僕は中学2年生でした。年が分かってしまいますが、まあそれはいいとして、ずっと長い間この曲は、若くして亡くなった恋人のことを歌っているのだろうと思い込んでいました。
 
「君をいつまでも忘れない
 
ほんのひとときの巡り合わせ
 
さよならを言うのはつらいけど
 
みんなここで手を振るよ・・・」 
 
 
 作詞 山木康世 「君をいつまでも忘れない」の出だしより

 

でも、ここで歌われているのは、ふきのとうを世に送り出した竹田健二さんのこと。1977年8月27日に急性心不全のために36歳で亡くなられました。当時、竹田さんは松山千春のマネージメントに奔走しておられました。
 

竹田さんの純粋さが伝わってくる

 
すでに、ふきのとうはプロとしてデビューして3年が経っていました。ふきのとうの二人は、竹田さんについてあまり多くを語っていないし、ネットで調べてもあまり情報がありません。でも、ふきのとうの作品のなかには、しっかりと登場しているし、ふきのとうが感じたであろう、悲しみ、感謝、哀惜の情がこの歌から伝わってきます。
そんなことを思い巡らしながら「君をいつまでも忘れない」を聴くと、あらためて詞の意味が深まるのです。
 
「君の純粋さに さよなら
 
君のまじめさに さよなら
 
君の思いやりに もう
 
君の笑顔に さよなら」  
 
作詞 山木康世 「君をいつまでも忘れない」のサビの部分 

 

この歌詞だけで、竹田健二さんはこういう人であったと断定することは出来ませんが、この曲を作った山木さんから見て、竹田さんはとても純粋な人だったことは間違いないでしょう。
北海道の純朴な雰囲気を伝えるふきのとう・松山千春を見い出して、それを多くの人に伝えようと純粋に、まじめに打ち込まれていたにちがいありません。中島みゆきも竹田さんに恩義を感じていたようで「ほうせんか」という曲を追悼の歌として作りました。若くして突然別れを告げた竹田健二さん。
 

8・27

その日を忘れないように、山木さんは「レクイエム8・27」というインストゥルメンタルも作っています。