ふきんとうだより

ふきのとう、フォーク、宮沢賢治、石川優子についてつらつら語ります

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ふきのとう「初恋」:六月の雨が心に響く名曲

雨の匂いが漂う六月の朝、窓の外でしとしとと降る雨音を聞きながら、ふきのとうの「初恋」を聴いてみませんか?
この曲は、1978年にリリースされたアルバム 「思い出通り雨」 に収録された一曲。
切なくも温かいメロディと、細坪基佳さんの青春の思い出が詰まった歌詞が、聴く人の心をそっとつかみます。

隣には僕が立っていると、いつも心にそう決めていたんだ

心を揺さぶる「初恋」の魅力

「初恋」は、ふきのとうの楽曲の中でも特に心に残る一曲。
「六月の雨の朝」という歌詞が、梅雨のしっとりとした空気感を鮮やかに描き出し、
まるでその情景の中にいるかのような気持ちにさせてくれます。

この曲は、細坪基佳さんが学生時代に経験した初恋の思い出を基にしたものだと言われています。
好きな人の小さな仕草や、愛おしい瞬間を丁寧に綴った歌詞は、
誰しもが胸に秘めた青春の記憶を呼び起こします。

あなたが嫁ぐ六月の雨の朝
綺麗な花嫁衣装に身を包み
そして、その隣には
僕が立っていると
いつも心にそう決めていたんだ

このフレーズは、叶わなかった恋の切なさと、
それでも大切に想い続ける純粋な気持ちを表現しています。
失恋の痛みを歌いながらも、どこか温かみのあるメロディが、
聴く人の心を優しく包み込んでくれるのです。

歌詞に込められた細坪さんの青春

歌詞には、細坪さんが愛した人の愛らしい一面が描かれています。

男ものの大きなシャツが好きで
困ったとき首を曲げるのがくせで
だれよりも優しさが似合う人で

こんな小さなディテールが、恋のリアルさを際立たせます。
誰かを好きになったとき、相手の何気ない癖や笑顔が、
こんなにも鮮明に心に刻まれるものなのですよね。

 


そして、こんなにも愛したのに、
「ずっとそばにいてくれると信じてたのに」という一節が、
胸を締め付けます。

誰もが経験するかもしれない、青春のほろ苦い瞬間が、ここにあります。

ふきのとうの「初恋」が特別な理由

松山千春さんや村下孝蔵さんの「初恋」も素晴らしいけれど、
ふきのとうの「初恋」には独特の初々しさと親しみやすさがあります。
細坪さんの柔らかな歌声と、山木康世さんのハーモニーが織りなす音の世界は、
まるで古い友だちに語りかけるような温もりを感じさせます。

この曲は、アルバム 思い出通り雨 のB面に収録されたシングル曲で、
ふきのとうの代表曲ほど広く知られているわけではありません。
それでも、コンサートでは頻繁に歌われ、ファンの間では愛され続けています。
初めて聴いたときは他の名曲に埋もれていたかもしれないこの曲が、
自分の経験と重なるたびに、どんどん心に響くようになる――
そんな特別な一曲なのです。

今すぐ聴いてほしい「初恋」

ぜひ、雨の日に窓辺で、または静かな夜に、
この曲をじっくりと聴いてみてください。
メロディと歌詞が織りなす世界が、あなたの心にそっと寄り添い、
遠い日の初恋の記憶を優しく呼び起こしてくれるはずです。

 


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思い出通り雨:名曲の宝庫

「初恋」が収録されているアルバム 思い出通り雨 には、
他にも心を掴む名曲がたくさん詰まっています。
たとえば、「君をいつまでも忘れない」は、
そのタイトルだけで胸が熱くなるような一曲。
これらの曲も、追ってご紹介したいと思いますので、
ぜひ楽しみにしていてください。