ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太叡王対伊藤匠七段 叡王戦第二局 伊藤匠七段初白星

ここまで藤井聡太八冠に勝ち星のない伊藤匠七段でしたが、ついに勝利を収めました。しかも逆転に次ぐ逆転を制しての勝ち。その内容を振り返ってみましょう。

 

後手・藤井聡太叡王 角換わり3三金型

角換わりとなった本局。両者とも深い研究で勝ち続けている型だけにゆずれません。しかし、後手の藤井叡王は☖3三金を選択し、角換わりのなかではあまり指していない戦型となりました。

早繰り銀

その後、藤井叡王は早繰り銀で速攻に転じます。このあたりでは、ほぼ互角でしたが、評価値はやや伊藤匠七段に振れていました。

馬を作った先手

☗4七馬と味よく馬を作って自陣に引いた伊藤匠七段。徐々に有利になります。

逆転に次ぐ逆転

焦点となった☖3三金を桂で取った伊藤匠七段。順当に見えましたが、どうも疑問手だったようです。この手を境に、評価値は藤井聡太叡王に振れていきます。しかし、今度は藤井叡王に疑問手が出ます。得意の飛車切りです。ぱっと見、良さそうですが、好事魔多し。今度は伊藤匠七段優勢に転じます。解説陣は、伊藤匠七段良しだが、実際に寄せるとなると難しいのではという説明でしたが、伊藤匠七段。今回は際どい寄せと詰みを逃しませんでした。見事な初白星です。

すぐに名人戦第二局

これで、伊藤匠七段は、対藤井聡太八冠11連敗でストップ。待望の勝利です。叡王戦も1勝1敗のタイとなり、第三局以降が楽しみです。局後、感想を尋ねられた伊藤匠七段は「勝てていなかったので、一つ結果が出たのはよかったです。番勝負は続くので引き続き頑張りたいと思います」とほっとした様子でしたが、同時に心の中では*1と第三局を見据えた決意をたぎらせていたにちがいありません。一方の藤井聡太八冠は、タイトル戦の連勝が16で止まりました。今までが異次元の数字だったので、この敗戦はある意味自然。4/23に名人戦第二局が控えていますので、ゆっくりもできませんが、これで調子を崩すということはないでしょう。
 

*1:一つ勝っただけです。これからが大事