ふきんとうだより

ふきのとう、フォーク、宮沢賢治、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太竜王 対 伊藤匠七段 竜王戦第三局 藤井聡太竜王の勝利 防衛に王手

藤井聡太竜王 藤井曲線を描いて勝利

 
 
10/25,26と北九州市「旧安川邸」で行われた竜王戦第三局。二日目の午後3時くらいまでは、ほぼ互角でしたが、中盤の攻め合いからリードを少しずつ広げていったのは、やはり藤井聡太竜王。評価値も藤井曲線を描きました。伊藤匠七段は終盤かなり藤井玉に迫りましたが、冷静に応じた藤井竜王。またもや伊藤匠七段に見せ場を作らせませんでした。今シリーズ3連勝となり、藤井竜王は防衛まであと一勝と王手を掛けました。さて、一日目から流れをまとめてみましょう。
10/24、立会いの森下卓九段が検分に現れないというアクシデントがありましたが、対局は無事始まりました。このシリーズ、ここまで藤井聡太竜王が2連勝。通算でも伊藤匠七段に4連勝しています。このまま一方的になってしまうのは面白くないと思いますが、いかがでしょうか。
 

一日目

戦型は相掛かり

本局は伊藤匠七段が先手。相掛かりで☗6八玉という陣形になりました。
 

昼食

 

午後

伊藤匠七段が、歩得のうえに銀を繰り出して積極的に攻める姿勢を見せています。一方の藤井聡太竜王も、それに応じつつ、7筋の桂をはねて中盤の難所に入っていきます。評価値は40手の時点で50:50です。その後、先手が2筋を破れるような進行になりましたが、後手5筋の位を取っているのが大きいのか、評価値はやや藤井聡太竜王に振れました。52:48。ここで藤井竜王が長考し、そのまま封じ手となりました。

二日目

午前

封じ手は☖5六歩
 

昼食

 

午後

☖5七歩を打ちこんだ時点で、藤井52:48伊藤。解説陣は評価値以上に藤井聡太竜王の方が指しやすいと見ています。☗4八金とかわして、再び35:65に。伊藤七段が3筋が絡んで藤井玉に迫りますが、詰み筋がなさそうです。残り時間も伊藤匠七段の方が少なく、あと5分。

終局

結局、伊藤匠七段、藤井玉に迫りましたが、評価値からしますと、あまりチャンスはなく、封じ手以降少しずつポイントを稼いでいった藤井竜王が、危なげなく勝ったという将棋でした。

第四局

次の第四局は、11/10,11に北海道小樽市「銀鱗荘」で指されます。少し間隔が開きますので、両者とも態勢を整えて、再び好局をお見せください。伊藤匠七段は、今回の敗戦で対藤井聡太竜王名人5連敗で勝ちなしとなりました。力はある棋士ですので、真正直にぶつかる構想が、今一つ空回りしているような印象を受けます。逆に、藤井聡太竜王名人は、他の対局者以上に伊藤匠七段との対局では、ミスが少ない。伊藤匠七段がどんな工夫を見せるのかに注目しましょう。