豊島九段が一矢報いる
豊島九段、乱戦制し初白星 藤井名人のミス誘う #名人戦 第4局https://t.co/b18ZIVOQlo
— 毎日新聞 (@mainichi) May 19, 2024
解説の佐々木大地七段は「豊島九段は自分から崩れず、藤井名人のミスを誘った。均衡した局面から名人がこれだけ急に崩れたのは珍しい」と話しました。
戦型は横歩取り
先手の豊島九段が、3手目に☗1六歩と大胆な作戦。横歩を取らせる戦術へと進みます。あとがない豊島九段、藤井聡太名人の予想にないであろう戦型に進めます。昼食休憩前後では、豊島54:46藤井とほぼ互角。そして、一日目の17:30では、豊島55:45藤井となりました。
二日目
50手目☖5二玉を指したあと、豊島67:33藤井という評価値。時間の経過とともに、68:32となりました。立会いの深浦九段は『「名人に定跡なし」と言いますが、この手で、どう指すと問いかけているようだ。豊島九段の表情がいつになく険しい』という解説でした。この時点で、豊島九段の残り時間が1:43というのが気になります。終盤のためにもっと時間を残しておいた方がいいのではと心配になります。
夕休後、形勢は完全に互角
ここまで、リードして来た豊島九段ですが、夕休後50:50に戻ります。豊島九段に悪い手は見当たりませんが、感覚的には追いつかれた豊島九段の方が苦しそうです。局後のインタビューでも、豊島九段はこのあたりの形勢を正確にとらえていました。19:30の時点で、まだ50:50。残り時間は、藤井聡太名人がだいぶ少なくなり、26分。豊島九段は43分。
豊島九段 正確に寄せる
☖4三歩で、やや評価値が豊島九段に振れました。56:44。☖3七馬と、藤井聡太名人は必然手を指しているのですが、評価値は豊島九段に振れていくという、いつもとは反対のパターンです。☗4五飛寄で69:31。もちろん、ここからが大変で、豊島九段も、そこまでリードしているという実感はなさそうです。しかし、本局では、豊島九段の方がAIの推奨している最善手を指すことが多くなっています。☖2四香、☗5五飛でさらに61:39になりました。対する藤井聡太名人の☖6四桂でついに75:25に。流れは豊島九段の方にあります。終盤での飛車の使い方が、いつもの藤井名人のように、絶妙なタイミングでスパッと切るという、相手のお株を奪うような指し手。危なげなく、豊島将之九段が勝ち切りました。
12連敗で止める
これで、対藤井聡太名人の連敗を12で止めた豊島将之九段。引き続きカド番ではありますが、ひと安心という所ですね。一方の藤井聡太名人。いつもより少し正確さに欠けたのが気になります。第五局は北海道紋別市で5/26,27に開かれます。
名人戦名局だったと思います。
— 山本 博志 (@yamahiro3ken) May 19, 2024
豊島先生は居飛車党の先生の中でも結構振り飛車的というか、
低い陣形から飛車角を大きく使う展開で特に力を発揮される印象があり、戦型選択も上手くハマったのかも知れません。
藤井名人の△52玉の辛抱も印象深いです。あれは中々指せない。
次局も本当に楽しみです…!