ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太名人対豊島将之九段 名人戦第三局 棒銀炸裂 藤井名人三連勝で王手

序盤のリードから藤井曲線

第82期名人戦第三局が羽田空港にて行われました。序盤のリードを少しずつ広げ、最後はつけ入る隙を与えない指し方で藤井聡太名人が勝利。このシリーズ三連勝となり、名人位防衛まであと1勝としました。評価値は、徐々に藤井名人の方に振れていくという典型的な「藤井曲線」となりました。

豊島九段の作戦は後手雁木

今回も豊島九段は、藤井名人の十八番である角換わりを避け、雁木に組むという作戦に出ました。一日目昼食休憩後の評価値は、藤井55:45豊島と、先手の藤井名人がややリードしました。

敗着☖4一玉

棒銀模様の先手に対して、34手目☖1四歩(あるいは9四歩)でしたら、互角の形勢でしたが、豊島九段の指した手は☖4一玉。この手で藤井名人の棒銀攻めを一方的に受けることになりました。結果として、この手が敗着になったようです。一日目18:00時点の評価値は、藤井54:46豊島。2筋が破られそうです。しかも残り時間が6:35と3:49。豊島九段はさらに考え続けます。☖2四同歩で3:42。このあたり、ほとんど時間を使わない藤井名人。終盤のために時間を残す作戦です。

封じ手の遠見の角から棒銀が炸裂

封じ手は、藤井名人の☗1六角という遠見の角。2筋を単に破るのだけでなく、その周辺までも戦火を広げるという手です。その後、棒銀が炸裂し龍を作りました。この時点でも、評価値はそれほど変わっていませんが、徐々に先手の模様が良くなり、後手は左右両方が抑え込まれていきます。

夕食休憩後豊島九段の投了

先手の藤井名人は味よく後手の飛車を捕獲、着実な攻めが続きます。一方の豊島九段は攻めの糸口が見つかりません。夕食休憩後、詰みまではまだまだですが、見込みなしと見た豊島九段が投了。藤井名人は防衛まであと1勝と王手をかけました。

叡王戦ではカド番に追い込まれたもののその影響は見られず

同時進行している叡王戦では、伊藤匠七段に連敗しカド番に追い込まれた藤井聡太八冠。やや不調かと見られましたが、本局では、その影響は見られませんでした。しかも時間を残しての終局。また連勝街道を突っ走る可能性があります。一方、見せ場を作れなかった豊島九段には悔いの残る将棋でしょう。しかし、棒銀を受けていれば、有利になる分かれもありました。ぜひ第四局に期待しましょう。

元奨ヤスさんの解説によると、豊島九段が一気に優勢になる分かれもありました。