序盤のリードから藤井曲線
第82期名人戦第三局が羽田空港にて行われました。序盤のリードを少しずつ広げ、最後はつけ入る隙を与えない指し方で藤井聡太名人が勝利。このシリーズ三連勝となり、名人位防衛まであと1勝としました。評価値は、徐々に藤井名人の方に振れていくという典型的な「藤井曲線」となりました。
将)名人戦第3局は藤井聡太名人が勝ち、3連勝として名人初防衛に王手をかけました。終始戦いを優位に進め、棒銀の攻めを決めて優勢を確立。名人の快勝譜となりました。… pic.twitter.com/tEvolLma7w
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) May 9, 2024
豊島九段の作戦は後手雁木
今回も豊島九段は、藤井名人の十八番である角換わりを避け、雁木に組むという作戦に出ました。一日目昼食休憩後の評価値は、藤井55:45豊島と、先手の藤井名人がややリードしました。
敗着☖4一玉
封じ手の遠見の角から棒銀が炸裂
封じ手は、藤井名人の☗1六角という遠見の角。2筋を単に破るのだけでなく、その周辺までも戦火を広げるという手です。その後、棒銀が炸裂し龍を作りました。この時点でも、評価値はそれほど変わっていませんが、徐々に先手の模様が良くなり、後手は左右両方が抑え込まれていきます。
夕食休憩後豊島九段の投了
先手の藤井名人は味よく後手の飛車を捕獲、着実な攻めが続きます。一方の豊島九段は攻めの糸口が見つかりません。夕食休憩後、詰みまではまだまだですが、見込みなしと見た豊島九段が投了。藤井名人は防衛まであと1勝と王手をかけました。
【第82期 #名人戦 第3局2日目】
— 😸日本将棋猫🤔🍀 (@JshogiC) May 9, 2024
[☗#藤井聡太名人 vs☖#豊島将之 九段]
豊島九段投了!
95手まで、藤井名人の3連勝で防衛に王手です。
・・・藤井曲線でした😤
第4局は5月18日(土)19日(日) に大分県別府市「割烹旅館もみや」で指される予定です。
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叡王戦ではカド番に追い込まれたもののその影響は見られず
同時進行している叡王戦では、伊藤匠七段に連敗しカド番に追い込まれた藤井聡太八冠。やや不調かと見られましたが、本局では、その影響は見られませんでした。しかも時間を残しての終局。また連勝街道を突っ走る可能性があります。一方、見せ場を作れなかった豊島九段には悔いの残る将棋でしょう。しかし、棒銀を受けていれば、有利になる分かれもありました。ぜひ第四局に期待しましょう。
元奨ヤスさんの解説によると、豊島九段が一気に優勢になる分かれもありました。
元奨ヤスさんの解説によると、豊島九段が一気に優勢になる分かれもありました。