ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太棋聖の逆転負けをどう見るか

ここのところ大事な対局が続いている藤井聡太竜王名人。七冠なのですから、ほとんどタイトル戦ということで、注目度の高い対局ばかりとなるのは、致し方ありません。そんな中で、王座戦・村田顕弘六段戦では、奇跡の大逆転勝利と思えば、直近の棋聖戦第二局・佐々木大地七段戦では、逆転負けを食らうという激しい展開に。さすがに疲れているのではと私は見ていますが、石田和雄九段によれば、こんな負け方は年に一回はあるものだそうです。では、石田和雄九段の語りを文字起こしでご覧ください。
 

石田和雄九段の解説

 (以下文字起こし、一部指し手を省略)

藤井聡太竜王名人対村田顕弘六段戦・王座戦について

皆さん、こんにちは。今週は藤井さんについてちょっと語ってみたいと思います。
ちょっと前になりますけど、王座戦が行われましたね。王座戦準々決勝・村田六段戦でございます。今、この王座戦が俄然注目されてましてね。王座戦は、私がいつも言っているように、タイトル戦に出れば、これは藤井さんに分がある。だけど挑戦者になるまでが結構大変ですよ。村田戦を含めてあと3番あるんですが、村田さんに負けそうになった。これでは、藤井さんの八冠なんて、また一年遠のくんだろうな、と私も見ていたし、ファンの多くもそう見ていたみたい。だけど、これは奇跡に近いような逆転ですよ。はい、まあなんて言うか。この将棋は怪物・藤井さんでも勝てないだろうと見てましたよ。ところが、終盤になって1時間くらい村田六段長考しましたね。どうもあの辺から怪しい雰囲気になりましたね。まあ6四銀という手を称賛している人もいます。でも、わたしは6四銀は、こうやる一手だろうと見てました。コンピューターを見ていなくても、その一手だと思ってました。最後は、計ったようにきれいに詰ましますもんね。やっぱり藤井さんを負かすのは容易じゃない。ホント大変だという感じがいたしまして、史上最強の棋士になるであろうという風に思いました。
そして、次は羽生さんと準決勝を戦います。これも、おもしろいですねえ。これで挑戦者決定戦に進むかどうか? もしですね、(藤井聡太竜王名人が)挑戦者決定戦に勝って、挑戦者になると、これまた王座戦、俄然盛り上がりますねえ。

藤井聡太棋聖佐々木大地七段戦・棋聖戦第二局について

と思って、藤井さんを負かすのは大変だあ、ちょっとやそっと良くなったって勝てないと思って見てたんですよ。ところが棋聖戦第二局、佐々木大地さん。この人が今絶好調らしいですよ。さてこの対局、途中まで藤井さん、ずーっと苦戦でした。だけど、藤井さんの3九飛ですか。あんな手、ちょっと浮かばない。3八角とかなら、凡人でも浮かぶんだけど、3九飛は「ひえっー」って言う手なんですよ。それでしばらくして評価値を見ると、ぐっーと藤井さんに振れてる。やっぱりこの人、最後は勝っちゃうんだ。

藤井聡太棋聖、強すぎるから切っちゃった

そういう人なんだと見ていたら、どうしたことでしょう。最後の所でびゃーっと7八竜と切った手ありますね。あれ同銀なら、詰みと読み切っていたのでしょう。あれは強すぎるから、ああいう手になるんです。ふつうは金を渡さなければ詰まないんだから、楽勝、勝ちなんですよ。藤井さんにしては珍しいですね。強すぎるから詰みを読み切って、切っちゃった。だけど5五角。佐々木大地さん、一分将棋でよく見つけましたねえ。あれは、藤井さんを責めるのではなく、佐々木さんが☗5五角をよく見つけたということです。まあ、それで詰めろがほどけるかどうか、よく見切ってなかったけど、これしかないと打った。それを見て藤井さんは、ああすっぽ抜けたとわかったらしいですね。それで、一分将棋になって、あわてて☖2四歩と突いちゃったですね。あれで☖1二玉でどうだったんでしょうかね。一分将棋だから粘っていればね、どちらが勝ったかわからない。藤井さんの終盤力をもってすれば、またやっぱりということになったかもしれません。だけど何と藤井さんとしたことが、2四歩と突いて、最後2三銀と受けた後に、3三香ですか。分かりやすい手ですもんね。で投了したと言うのはちょっと信じられない。まあ、いろいろ敗因を言う人がいます。私に言わせれば、そんなに深く考えなくてもいいと思うんです。藤井さんだって五番に一つくらいは負けるんですよ。そして、ああいう負け方は年に一回くらいはある。藤井さんだって人間なんだと、そこで切った方がいいと思います。また見違えるような藤井将棋を見せてくれると思います。それにしても佐々木大地さん、強い。これで棋聖戦王位戦、おもしろくなりましたねえ。あの第二局の戦いぶりを見て、注目度がガーンとあがりましたね。 
 

奨励会員・アユムさんの解説


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☖7八竜に☗同銀なら23手詰めでした。☗5五角で詰めろが解消された上に、後手玉に詰めろがかかります。それで、☖7八竜の代わりに☖7三桂なら、後手勝ちだったというのが、感想戦藤井聡太棋聖が示した手。
 

ふきんとうのまとめ

藤井聡太棋聖が強すぎるために竜を切ったというのは石田和雄九段・アユムさん両者に共通する見方です。わたしも同感です。☗5五角のあと、☖1二玉でもだめというのがアユムさんの解説ですが、ここも藤井聡太棋聖はすぐにわかったために、☖1二玉とはしなかったのでしょう。石田和雄九段の言われるように、ダメだとわかっていても、相手が間違えるかもしれないからと手数を伸ばすのは、藤井聡太棋聖には指しにくいはずです。いずれにしても、藤井聡太竜王名人。まだ20歳。佐々木大地七段との感想戦でも、笑顔が見られました。次はまた鋭くて熱い将棋を期待しましょう。