ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太叡王対伊藤匠七段 叡王戦第三局 伊藤匠七段が連勝して初タイトルに王手

第9期叡王戦第三局は伊藤匠七段の勝利

1勝1敗のタイで迎えた第三局。戦型は、両者とも研究の最先端を行く角換わりとなりました。伊藤匠七段が指した☖5二金という形は「渡辺先生の将棋」という解説があり、伊藤匠七段が用意してきた作戦でした。

序盤は互角から藤井叡王わずかにリード

序盤の駒組から仕掛けまで互角の形勢です。58手目の☖6七歩の垂れ歩で少し評価値が動きました。藤井53:47伊藤です。この後、1,2筋を巧みにこじ開ける攻めで、先手の藤井叡王が指しやすい展開になり、少しずつですが、藤井叡王に評価値が振れていきます。

伊藤匠七段の逆襲

藤井叡王の猛攻で、伊藤玉は少し薄くなりました。そして飛車も取られますが、そこから伊藤匠七段は8筋を攻め、怒涛のような逆襲に転じます。それでも評価値は藤井叡王有利と出ていました。しかし、ABEMAの解説陣は、伊藤匠七段の攻めを高く評価。評価値ほど離れていないとの説明です。☗8七銀という藤井叡王の受けの強手が良くなかったようで、評価値も反転しました。局後、藤井叡王は「☖7六銀をうっかりした」と述べ、そのあたりも時間に追われて、藤井叡王にしては読みが足りなかった模様です。

藤井叡王毒饅頭

伊藤匠七段が寄せに入り、評価値も後手勝勢を示してから、藤井叡王はノータイムで王手を続けます。つまり共に1分将棋となり、伊藤匠七段が少しでも間違えれば詰ますという、いわゆる「毒饅頭」作戦。しかもノータイムで指すので相手に考える時間を与えずに、間違えさせようとする高等戦術です。しかし、伊藤匠七段は毒饅頭を巧みにかわし、見事な勝利を収めました。

終盤負けを悟ったのか扇子を落とす

終盤、藤井叡王の敗色が濃厚になってきた頃、うつろな表情の藤井叡王が、扇子を力なく落とす場面がありました。落胆したためか、手がすべったのか判然としませんが、何か自身の負けを悟ったかのような情景でした。

伊藤匠七段は初タイトルに王手

これで、五番勝負は伊藤匠七段の2勝1敗。あと1勝で初タイトルです。一方敗れた藤井叡王はカド番となりました。名人戦と並行しているだけに、やや疲れがあるのでしょうか。第四局は5/31と少し間隔があきます。どちらも悔いのない将棋を指してほしいものです。