ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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松山千春 「足寄より」 北海道に生きるフォークシンガーの誕生⑥ ニッカーボッカー

(この記事は6/12の分に書き足したものです。)
二回目のフォーク音楽祭に出場した千春。帯広大会、札幌大会と予選通過し、全道大会に進みます。残されているのは10組。この中の2組が全国大会出場です。
 

パトカーに先導されたニッカーボッカー

 
足寄から車を運転して札幌の全道大会に向かった千春。前日の夜中、札幌で接触事故を起こしてしまいます。翌朝、事故の調書を取られている間に、リハーサルの時間が過ぎてしまいました。いざ、会場に向かおうとしたものの、道がわからない・・・。その時、困っている千春を見て、何とパトカーが先導してくれることになった。ピーポー、ピーポーとパトカーが走り、その後を千春が運転するニッサン・チェリーが走る。信号も何も無視してノンストップ。会場の中島スポーツセンターでは、入場を待つお客さんたちがズラッーと並んでいる。そこに、パトカーに先導されて車が入って来たわけで、何事か―、どんなVIPが来たのかー、と思えば、降りてきたのはニッカーボッカーを履いて、サングラスをした千春。みんな、目を丸くして仰天した。
(6/12 ここまで)

ニッカーボッカーでステージへ

 
左官屋でアルバイトをした時にニッカーボッカーを履いて以来、千春はニッカーボッカーがお気に入り。「他人がどう思うかなんて関係ない」と言い切っているので、本当に履き心地がいいんだろうね。とにかく、フォーク音楽祭の全道大会のステージに千春はニッカーボッカーで立つことになります。
そのくだりは、「足寄より」からそのまま引用しましょう。
 
『会場には五千人くらいはいっていた。俺はぶっ飛んだ。そんなの初めてだもの。おれが出て行ったら、それだけで会場は大笑い。ニッカーボッカーにサングラス、ギター片手に、肩で風切って入場だから、信じられない格好でつっぱってるのが、おかしかったんだろうね。
アナウンサーが足寄からきたっていったら、ワーッときた。
歌いだした。会場はシーンとなっていった。それがわかったから、あがってはいなかった。』

 

残念ながら落選

 
全道大会、千春は惜しくも落選。全国大会に進むことは出来ませんでした。やはり、態度が良くなかったのが要因らしい。しかし、審査員のひとり、かまやつひろしさんは「松山君はタレント性がある。落ちたのは惜しい」としきりに残念がっていました。そして、千春の大物ぶりに注目していた審査員がもうひとりいました。それが、これから千春に夜明けをもたらすことになる竹田健二さんです。