大阪・茨木市で行われた一戦、佐々木八段が新手で藤井竜王を圧倒
第37期竜王戦7番勝負第4局が、2024年11月16日、大阪府茨木市の複合文化施設「おにクル」にて開催されました。本局では、史上最年少で八冠を達成した藤井聡太竜王(22歳・竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)が、挑戦者の佐々木勇気八段(30歳)を相手に防衛戦に臨みました。
先手番を活かした積極策で完勝、両者2勝2敗の五分に
15日午前9時から始まった2日制の対局で、先手の佐々木八段は、その名前の如く角換わりで勇気ある積極的な指し回しを展開。慎重に攻め筋を選択しながらも、要所では大胆な手を繰り出し、堂々たる将棋で藤井竜王を圧倒しました。この勝利により、七番勝負の対戦成績は2勝2敗の五分となり、シリーズは新たな局面を迎えることとなりました。
佐〉大阪府茨木市の「おにクル」で指されていた第37期竜王戦第4局は11月16日午後3時45分に終局し、先手番の佐々木勇気八段が97手で藤井聡太竜王に勝ち、シリーズ成績は両者2勝2敗のタイとなりました。 pic.twitter.com/eE5fwKxFpA
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) November 16, 2024
斬新な戦法で藤井竜王を翻弄、加藤九段も絶賛
加藤一二三九段の解説によれば、本局での佐々木八段の指し回しは冴えわたっており、角換わり早繰り銀から腰掛け銀という斬新な戦法で藤井竜王を圧倒。藤井竜王も終局後、「先手4六角と攻めてこられる手順を軽視してしまった」と悔やむ場面があり、この一手を境に佐々木八段の攻めが一気に繋がったとのことです。
【ひふみんEYE】棋士になり70年で初めて見た 藤井竜王が「軽視」した佐々木八段の指し回し - 社会 : 日刊スポーツ https://t.co/QAc2g0P7iW
— 加藤一二三【2024年棋士デビュー70周年 皆様への感謝を込めて】 (@hifumikato) November 16, 2024
A級順位戦でも好調、全体的な充実ぶりを見せる
注目すべきは、佐々木八段が名人戦への挑戦権を争うA級順位戦でも4勝1敗と好調を維持しており、永瀬拓矢九段、佐藤天彦九段と並んで暫定首位に立っていることです。この好調ぶりが、今回の竜王戦での堂々たる戦いぶりにも表れていると言えるでしょう。
次局は和歌山で開催、年内最後のタイトル戦が白熱
次戦となる第5局は、11月27日、28日の両日、和歌山市の「和歌山城ホール」で開催される予定です。これまでの両者の対戦では、それぞれが先手番で勝利を収めており、事実上の3番勝負の様相を呈しています。年内最後となる今期の竜王戦は、最終第7局までもつれ込む可能性も十分にあり、将棋ファンの注目度はますます高まっています。