あらまし
岡村孝子のデビューアルバム「夢の樹」は、1985年にリリースされました。このアルバムは、彼女のソロアーティストとしてのキャリアのスタートを飾るものであり、彼女の独特な音楽スタイルと感性が詰まっています。
あみんで世間の注目を浴びたものの、1985年の岡村孝子のソロデビューは音楽シーンに静かに登場したと言えるでしょう。しかし、このアルバムはシンガーソングライターとしての岡村孝子の音楽的アイデンティティを鮮明に描き出す、きわめて重要な作品です。若き日の彼女の繊細な感性と、人生に対する若者なりの深い洞察が、9曲の楽曲を通じて見事に表現されています。
完成度の高い曲と伸びやかな歌声
「夢の樹」に収録されている楽曲は、どれも完成度が高く、岡村孝子の伸びやかな歌声が際立っています。特に「風は海から」や「冷たい雨」などの曲は、彼女の感情豊かな歌唱力を存分に感じることができます。彼女の歌声は、聴く者の心に深く響き、忘れられない印象を残します。
曲目
アルバムには以下の曲が収録されています:
1 風は海から
この曲は、アルバムと同時にソロデビューシングルとして発売された曲。この曲を始め、このアルバムの曲はすべて、作詞・作曲/ 岡村孝子です。
2 冷たい雨
3 一人息子
この曲は、結婚を目前にして破局した女性の心境を歌っています。印象に残るフレーズ。
「うそでいい 誰よりも お前が必要だと 言ったならば 何を捨てても 付いていくはずだった」
4 見返してやるんだわ
この曲は、岡村孝子のイメージによく合っています。と言ってもわたしがそう思い込んでいるだけですが。主人公の女性は強がっているのだが、内心には未練があります。
5 雨の街
6 ピエロ
7 煙草
この曲もなかなか屈折した女ごころを歌い上げています。
「ねえ、ねえ。恋すると 優しくなるってうそだわ。ねえ、ねえ。愛するたびに 誰かを傷つけてしまう」
8 砕ける波に・・・
9 夢の樹
ヒットチャートに入らなかった名盤
今聴いてみると、完成度が高く、演奏・歌唱も素晴らしいのですが、なぜか、この「夢の樹」は、ヒットチャートには入りませんでした。しかし、その音楽的価値は非常に高く、多くのファンに愛されています。岡村孝子のデビューアルバムとして、彼女の音楽の原点を知ることができる貴重な作品。彼女の音楽は、時代を超えて多くの人々に感動を与え続けています。