はじめに:蜜月から一転、注目を集める決裂劇
2024年の米大統領選で、トランプ氏の勝利を支えたイーロン・マスク氏。
彼の莫大な資金提供とXの影響力は、トランプ政権のスタートを後押ししました。
しかし、2025年6月現在、両者の関係は泥沼の対立へと突入。
いったい何が起こったのか?
この記事では、最新情報を基に、両者の対立の経緯と背景を分かりやすく解説します。
トランプとマスクの関係:蜜月から亀裂までの時系列
2024年11月:協力関係のピーク
トランプ氏の再選後、マスク氏は2億6000万ドル以上の資金を提供し、
Xを通じてトランプ支持の投稿を展開。
トランプ氏はマスク氏を「政府効率化省(DOGE)」のトップに任命し、
規制撤廃やコスト削減を委ねました。
この時点で、両者は互いの利益を背景に強固な同盟を築いていました。
(https://www.yomiuri.co.jp/world/uspresident/20241107-OYT1T50220/)
2025年1月~2月:マスク氏の影響力拡大と反発
2025年1月のトランプ氏就任後、マスク氏はホワイトハウスに専用オフィスを構え、
連邦政府のリストラを推進。
しかし、強引な改革(例:USAIDやCFPBの閉鎖)は閣僚や市民の反発を招き、
テスラへの不買運動や株価下落(年初から42%減)を引き起こしました。
トランプ氏は当初、マスク氏を擁護しましたが、政権内での軋轢が表面化。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250406/k10014771561000.html)
2025年3月:権限制限と対立の兆候
3月7日、トランプ氏はマスク氏の権限を「助言」に限定。
ニューヨーク・タイムズは、ルビオ国務長官らとの閣議での口論を報道し、
マスク氏の孤立が鮮明に。
Xでは「マスク氏が追い出される」との投稿が拡散し、対立の噂が広がりました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250307/k10014742401000.html)
2025年4月:退任報道とテスラ株の反応
4月3日、ポリティコがマスク氏の数週間以内の退任方針を報道。
マスク氏はXで「フェイクニュース」と否定しましたが、
トランプ氏は「彼はいずれ去る」と発言。
この報道後、テスラ株は5%上昇し、投資家はマスク氏のビジネス復帰を期待。
(https://www.yomiuri.co.jp/world/20250404-OYT1T50166/)(https://www.asahi.com/articles/AST426FSMT42UHBI02DM.html)
2025年5月:マスク氏の正式退任
5月28日、ホワイトハウス高官がマスク氏の特別政府職員としての役割終了を発表。
マスク氏はXでトランプ氏に感謝しつつ、
CBSのインタビューで税制・歳出法案を「がっかりした」と批判。
この発言が、両者の決裂を加速させました。
(https://www.bbc.com/japanese/articles/cd0lkv5p99go)(https://x.com/elonmusk/status/1927877957852266518)
2025年6月:SNSでの応酬と決裂の公然化
6月3日、マスク氏はトランプ氏の減税・歳出法案をXで「不快で忌まわしい」と批判。
「財政赤字を増やす」と非難し、共和党議員を攻撃。
トランプ氏は「非常に失望している」と応酬し、
マスク氏の企業への補助金打ち切りを示唆。
マスク氏は「私が選挙を勝たせた」「恩知らず」と反撃し、
テスラ株は6月5日に14%下落、時価総額が21兆円超減少しました。
(https://www.asahi.com/articles/AST656HQ1T65UHBI028M.html)(https://www.bbc.com/japanese/articles/cx2x123qr42o)
2025年6月8日:関係終了と最新動向
6月7日、トランプ氏はNBCのインタビューで、
マスク氏との関係が「終わった」と明言。
マスク氏が民主党への資金提供を行えば「深刻な結果に直面する」と警告。
ブルームバーグは、トランプ氏がテスラ車を手放す検討をしていると報じ、
両者の亀裂が決定的になりました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250608/k10014829201000.html)
対立の背景:三つの誤算
朝日新聞は、マスク氏の退任の背景に「三つの誤算」を指摘しています。
- 政策の不一致:EV補助金削減や関税政策がテスラの業績を直撃。
- 強引な改革への反発:マスク氏のリストラが閣僚や市民の不満を招いた。
- ビジネスへの悪影響:テスラの売上減少やブランドイメージの毀損。
これらの要因が、両者の関係を修復不可能な状態に導きました。
(https://www.asahi.com/articles/AST5Y2C25T5YUHBI01DM.html)
「見せかけの対立」説の真相
Xでは、両者の対立が「見せかけ」だとする意見も存在します。
以下にその主張と反論を整理します。
見せかけ説の根拠
一部のXユーザーは、トランプ氏とマスク氏が裏で協力関係を維持していると主張。
マスク氏の退任や批判は、
共和党内の反マスク派への配慮や、
テスラ株価の操作、Xのトラフィック増加を狙った演出との見方です。
マスク氏が選挙でトランプ氏を支えた過去や、
SpaceXの政府契約が続いている点が根拠とされます。
(https://x.com/elonmusk/status/1930667528696828120)
反論:本物の対立を示す事実
しかし、政策の不一致(例:EV補助金削減)や、
テスラの業績悪化(売上13%減、株価42%下落)は、
単なる演出では説明しにくい深刻な問題です。
トランプ氏がマスク氏の企業への補助金打ち切りをちらつかせ、
マスク氏が新政党設立を匂わせるなど、
両者の応酬は感情的な対立を反映しています。
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05DZV0V00C25A6000000/)(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-03/SXAKPNT0G1KW00)
中間的な見方
現実的には、対立は本質的な利害衝突に基づくものの、
両者がSNSを活用して注目を集め、
政治的・ビジネス的な目的を追求している可能性があります。
トランプ氏は党内結束を、マスク氏はXの影響力強化を狙っているとも考えられます。
最新情報:2025年6月9日時点の動向
6月9日時点で、新たな報道は限定的ですが、
Xではマスク氏が新政党設立に関する投稿を続け、
トランプ氏への批判を緩めていません。
一方、トランプ氏は減税法案の推進に注力し、
マスク氏の影響力を排除する姿勢を強化。
テスラ株は不安定な動きを続けており、
投資家はマスク氏のビジネス復帰に期待を寄せています。
今後の両者の動向に注目が集まります。
まとめ:注目すべき今後の展開
トランプ大統領とイーロン・マスク氏の関係は、
蜜月から一転して決裂に至りました。
政策の不一致、ビジネスの悪影響、政権内での軋轢が、
両者を引き裂いた主な要因です。
「見せかけの対立」説も存在しますが、
テスラの業績悪化やSNSでの激しい応酬は、
本質的な対立を示しています。
マスク氏の新政党設立の動きや、
トランプ氏の政策推進が今後どう展開するのか、
世界が注目しています。
あなたはこの対立をどう見ますか?
コメントでぜひ意見を聞かせてください!