ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太王将、王将戦第六局で羽生九段に勝利 王将位初防衛

藤井聡太五冠、勝率8割超の「若き帝王」

先日名人戦挑戦者となった藤井聡太五冠。棋王戦、王将戦が並行して進行しています。過密スケジュールの中、8割以上の勝率を維持しているのは、さすがというより、もはや異次元の世界です。将棋界の「若き帝王」と呼んで差し支えないでしょう。

王将戦第六局

さて、王将戦第六局ですが、3月11日と12日の両日、佐賀県上峰町の大幸園で行われました。羽生九段の先手番です。藤井王将が勝てば、王将位の初防衛。一方、羽生挑戦者が勝てば、最終第7局に望みをつなぐことが出来、タイトル100期を目指すという大事な一局です。
 
結果は、藤井聡太王将が88手で勝利。やはり、百戦錬磨の羽生善治九段といえども、藤井聡太五冠の勢いを止めることはできませんでした。
 
 

戦型は「角換わり」から「相早繰り銀」

第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第6局は、戦型は「角換わり」でした。 同じ「角換わり」の戦型でも、第4局の「相腰掛け銀」とは異なり、第6局は互いに右銀を素早く攻めに繰り出す「相早繰り銀」の展開になりました。本局の形は2022年の叡王戦予選で羽生九段が後手をもって指していた形。このあたりは経験のある形に誘導した羽生九段がさすがです。しかし、藤井王将が前例から離れる手を指して、未知の盤面になりました。59手目を羽生九段が封じて一日目から藤井王将がややリードしました。
 
二日目は双方の銀が3,4筋に集中する局面が現れました。その後、羽生九段は玉形を整えます。しかし、有効な攻めが出来ない羽生九段に比べ、藤井五冠は銀と桂ですばやく羽生玉に迫ります。結局、藤井五冠の最短の寄せが功を奏して勝利しました。
 

両対局者のコメント

藤井聡太王将 「8時間という長い持ち時間で指すことが出来て、羽生先生の強さや自分の課題を感じました。今シリーズは考えてもわからない局面が多く、将棋の奥深さを感じました。盤上に没頭して指すことが出来ました」
ー (ふきんとう) 羽生九段に対する敬意の感じられるコメントです。未知の局面でも、最短の攻めを的確に決めるのは、経験値を越える発想力の高さがあるからでしょう。
羽生善治九段 「封じ手のところは、もう悪いと思っていました。その前に問題があったのではないか。自分自身の足りないところを改善して、また次に臨めたら」
ー (ふきんとう) 羽生九段は、すぐに切り替えて次なるタイトル挑戦に照準を合わせているようですね。ご自身が藤井聡太五冠のような快進撃を経験している訳ですから、その強さをだれよりも実感しているはずです。それを認めつつも、簡単にはあきらめないという強い意志を感じました。またタイトル戦に出て来られる日を楽しみにしましょう。