ふきんとうだより

ふきのとう、フォーク、宮沢賢治、石川優子についてつらつら語ります

MENU

日産自動車 どのくらい危ないのか? 歴史から読み解く現状と未来への課題


はじめに:日産が「危ない」と言われる理由

日産自動車が危機に直面しています。
2024年度の営業利益は90%減、過去最大の7500億円の赤字見込み
という衝撃的な報道が続きます。
工場閉鎖や大規模リストラのニュースも相次ぎ、ファンの間では不安が広がっています。
なぜ日産はここまで追い込まれたのでしょうか?
この記事では、日産の歴史を振り返りながら、最近の報道を基に現状を分析し、未来への道を探ります。

日産の歴史:輝きと危機の繰り返し

日産は1933年に設立され、「ダットサン」ブランドで小型車市場を切り開きました。
1950年代には国産車初のスポーツカー「フェアレディ」を発売し、1960年代の「スカイライン」は「技術の日産」を象徴する存在に。

スカイラインGT

2010年には電気自動車「リーフ」を世界に先駆けて投入し、EVのパイオニアとして注目されました。

しかし、1990年代末には深刻な経営危機に直面。
当時、巨額の赤字に苦しむ日産は、ルノーとのアライアンスを結び、カルロス・ゴーン氏の「リバイバルプラン」で見事にV字回復を果たしました。
この歴史は、日産が危機を乗り越える力を持つことを示しています。

フェアレディZ

最近の報道:日産の危機の核心

2024年、日産の業績は急落しました。
営業利益は前年比90%減の150億円、2025年度は7500億円の赤字見込みと報じられています。
特に北米と中国での販売不振が深刻です。
北米ではSUVの需要に追いつけず、中国では現地メーカーの低価格EVに押されています。

対策として、日産は7工場の閉鎖と2万人規模のリストラを発表。
さらに、EV電池工場の計画撤回やホンダとの統合協議の破綻も明らかになりました。
ルノー・三菱とのアライアンスも見直しが進む中、戦略の不透明感が強まっています。
これらの報道は、日産が構造的な課題に直面していることを物語ります。

現状分析:日産が抱える課題

日産の危機には、いくつかの要因が絡み合っています。

EV競争での遅れ

テスラや中国のBYDがEV市場を席巻する中、日産のリーフは後継モデルのインパクトが弱く、競争力が低下。
新エネ車への投資も遅れ、消費者のニーズに応えられていません。

ブランド力の低下

かつて「技術の日産」と呼ばれたブランドイメージが薄れています。
トヨタのハイブリッドやホンダのデザイン力に比べ、日産の新車は差別化が弱いとの声も。
若者を中心に「日産=古い」という印象が広がりつつあります。

経営の迷走

2018年のゴーン氏逮捕以降、経営陣の刷新が続き、戦略が定まりません。
内田誠社長の退任も発表され、新社長への期待と不安が入り混じります。

外部環境の影響

円安によるコスト増や、トランプ政権の関税強化の影響も無視できません。
原材料価格の高騰も、収益を圧迫する要因です。

日産の未来:再起か、買収の危機か

日産は新中期経営計画「The Arc」を発表し、2026年までに販売台数100万台増を目指します。
具体的には、プロパイロット2.0(自動運転技術)やVCターボエンジンなど、独自技術を強化。
新型EVの投入も計画しており、市場での巻き返しを図ります。

ルノー・三菱とのアライアンスを見直し、新たな提携先を探す動きも見られます。
例えば、ソフトウェア開発で海外IT企業との協業が進めば、EVの競争力向上が期待されます。
また、過去の危機を乗り越えた実績は、日産の底力を示すものです。

しかし、課題は山積みです。
資金繰りの悪化や市場シェアのさらなる低下が続けば、海外企業による完全買収の可能性も否定できません。
特に、中国や欧米の大手メーカーが日産の技術や生産基盤を狙うリスクがあります。
再起には、迅速な戦略実行と魅力的な新車開発が不可欠です。

まとめ:日産に全力を期待、だが買収の影も

日産は輝かしい歴史の中で、何度も危機を乗り越えてきました。
しかし、現在の課題は過去最大級です。
EV競争への対応、ブランド力の回復、経営の安定が急務です。
私たちは、日産が全力を挙げて再起することを心から願います。
一方で、市場の厳しさから、完全買収の可能性も見逃せません。
あなたは日産の未来をどう思いますか?
ぜひコメントで意見をシェアしてください!