ふきんとうだより

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イラン反政府デモの最新情勢と展望 【2026年1月12日】

イランが今燃え上がっています。2025年12月末から始まった反政府デモが、全国規模で拡大し、世界中の注目を集めているのです。この記事では、報道とSNSの情報を基に現在の情勢をまとめ、イランの歴史を振り返りながら、今後の可能性を探ります。激しい衝突の中で、多くの人々が命を賭けて声を上げている現実を知ることで、私たちも国際社会の一員として考えるきっかけになれば幸いです。

現在のイラン情勢

2026年1月12日現在、イランでは大規模な反政府デモが続いています。このデモは、2025年12月28日に経済危機をきっかけに始まりました。イラン通貨リアルの暴落とインフレ率の高騰が原因で、最初は商店主たちの抗議からスタートしました。しかし、すぐに政治的な要求に変わり、最高指導者アリ・ハメネイ師への批判が強まっています。

報道によると、デモは全国31州の100以上の都市に広がり、テヘラン、マシュハド、イスファハンなどの大都市を中心に激しい衝突が発生しています。権利団体HRANAの発表では、少なくとも490人の抗議参加者と48人の治安部隊員が死亡し、10,600人以上が逮捕されたとされています。CNNのライブ更新では、死者数が496人に達していると報じられ、Al Jazeeraも同様の数字を挙げています。これらの数字は、インターネット遮断のため正確な把握が難しく、実際はもっと多い可能性があります。

SNS(主にX、旧Twitter)からの情報では、デモ参加者たちが「死を独裁者に」「死をハメネイに」といったスローガンを叫び、1979年革命前のライオンと太陽の旗を掲げている様子が確認できます。一部では、IRGC(イスラム革命防衛隊)の建物や警察車両に火を放つ動画が共有され、激しい抵抗を示しています。例えば、Xの投稿では、テヘランの夜間デモで数千人が集まり、治安部隊と対峙する様子が投稿されています。また、インターネットブラックアウトが1月8日から続いており、Starlinkなどの衛星インターネットを使って情報を発信する人々もいます。

政府側は、武力鎮圧を強めています。ハメネイ師はデモを「破壊者」や「米国・イスラエル雇われの傭兵」と非難し、米国介入を警告しています。一部報道では、政府トップがロシアへの亡命を検討しているとの噂もありますが、確認された情報ではありません。Reutersによると、イランは米国軍事基地への攻撃を脅迫しており、緊張が高まっています。The Guardianの記事では、デモ参加者の証言から「街は血で満ちている」との声が紹介され、体制の制御を超えた動きを示唆しています。

これらのソースを総合すると、デモは経済的不満から始まったものの、女性のヒジャブ着用義務や政治的抑圧への不満が加わり、体制転覆を求める声が強まっています。インターネット遮断下でも、海外経由の投稿が増え、世界に状況を知らせています。

NCRI(イラン国民抵抗評議会)の報告では、イラム省のサラブレ市アセマナバードで、若者たちがIRGCのセンターを占拠したとされています。また、テヘランや他の15都市でバザールのストライキが広がり、IRGCのセンターが占拠または焼失した事例があると指摘しています。

www.ncr-iran.org

 

ここまでのイランの大まかな流れ

イランの現代史を理解するために、王制時代から現在までを簡単に振り返ってみましょう。

まず、王制時代です。1925年にレザー・シャー・パーレビが王朝を樹立し、息子のモハンマド・レザー・シャーが1941年から1979年まで統治しました。この時期、イランは急速な近代化を進めました。石油収入を基にインフラ整備、教育改革、女性の権利拡大が行われ、西洋化が進みました。しかし、独裁的な統治と格差拡大が不満を招き、1953年のクーデターでモサッデク首相が失脚した事件は、反米感情を高めました。

次に、1979年のイスラム革命です。反王制運動が広がり、ルーホッラー・ホメイニ師の指導の下で王制が打倒され、イスラム共和国が成立しました。革命後、イスラム法に基づく統治が始まり、最高指導者が政治・宗教の頂点に立ちます。1980年から1988年のイラン・イラク戦争で国は疲弊し、経済制裁も相まって生活が苦しくなりました。1989年にハメネイ師が最高指導者に就任し、現在に至ります

現在、イランは核開発問題で国際制裁を受け、経済が悪化しています。2022年のマフサ・アミニ事件でのデモのように、女性の権利や経済不満が繰り返し爆発します。Wikipediaのページでは、この革命後の変遷が詳しくまとめられていますが、制裁の影響でインフレ率が42%を超え、今回のデモの引き金となりました。

この歴史的流れから、王制の近代化と革命後のイスラム統治の対比が、現在の不満の根源にあることが分かります。多くの人々が、革命前の自由を懐かしむ声もSNSで見られます。

今後の展望

今後のイラン情勢は、予測が難しいですが、いくつかの可能性を考えます。

まず、短期的に見て、デモの継続と拡大が見込まれます。インターネット遮断下でも、Starlinkを使った情報発信が続けば、国際的な圧力が強まるでしょう。米国トランプ大統領は介入の可能性を示唆しており、PBS NewsHourの報道では、イランが米国基地攻撃を警告しているとあります。これにより、軍事衝突のリスクが高まっています。一方、欧州諸国は抑圧を非難し、人権尊重を求めています。

中長期では、体制崩壊の可能性があります。亡命中のレザ・パーレビ氏がデモを支持し、復帰を呼びかけている点が注目されます。BBCの動画では、テヘランでの大規模デモが報じられ、1979年革命以来の脅威とされています。しかし、政府の武力鎮圧が成功すれば、デモは一時的に収まるかもしれませんが、経済問題が解決しない限り、再発の恐れがあります。

ポジティブな展望として、平和的な移行が実現すれば、民主化が進む可能性があります。Institute for the Study of Warの更新では、IRGCの負担増大を指摘し、体制の弱体化を示唆しています。国際社会の支援が重要で、日本をはじめとする国々が人道的観点から関与する余地があります。

いずれにせよ、経済改革と人権改善がなければ、安定は難しいでしょう。私たちも、正確な情報を追いながら、見守る必要があります。

イランの人々が求める自由と公正な社会の実現には、さらなる犠牲を伴いますが、今回のデモはそれを厭わない熱量を発しています。歴史を振り返りながら、イラン情勢への理解を深めていきましょう。