これは2021/8に書かれた記事に加筆したものです。
藤井時代の幕開け https://t.co/8Yce8YQYjy
— ふきんとう (@mi26an) 2022年3月12日
今、将棋界は「藤井時代の到来」で湧き立っている。藤井聡太さんは14歳2か月で史上最年少でプロ棋士になってから負けなしの29連勝、そして17歳11か月で棋聖のタイトルを奪取しタイトル最年少記録も更新した。そして2020/8/20、王位戦で木村王位に4連勝し二冠になり、規定により八段に昇段した。その時18歳1か月だったので2冠達成と八段昇段ともに最年少記録を更新した。それまで二冠達成の最年少記録は羽生善治九段の21歳11か月。八段昇段の最年少記録は加藤一二三九段(引退)の18歳3か月だった。
その後も藤井二冠の快進撃は続いている。順位戦B級2組で9連勝し、最終局を待たずしてB級1組への昇級を決めているし、2020年度は現時点で42勝8敗(0.8400)で勝数、勝率ともに1位である。こうなると二年後に最短で名人戦に出て来るかが注目される。
もし一年後にA級入り、二年後に名人挑戦者となると、その時点で藤井聡太さんは20歳7か月、名人挑戦者の最年少記録は加藤一二三さん(ひふみん)の20歳3か月なので、この記録更新は無理だが、ひふみんはそのとき名人にはなれなかったため、最年少名人の記録更新の可能性は残されている。現時点での最年少名人は「光速の寄せ」で知られる谷川浩司九段の21歳2か月
それは藤井時代がすでに始まっているからに他ならない。これはどういう意味なのか。
これまで将棋界には時代をリードする棋士が周期的に現れてきた。その棋士を中心に群雄割拠となる様、あるいは天下統一がなされる快挙が将棋ファンの注目を集めてきた。今の将棋界は棋力、人気、今後の期待という観点から、藤井聡太棋聖が将棋界の中心になっており、かつての羽生七冠のように天下統一を目指していくであろうという意味ですでに「藤井時代」になっていると言える。
これは他の強豪棋士たちを決して軽んじたり、無視している訳ではない。また盲目的に藤井棋聖を持ち上げている訳でもない。わたしはえこひいきせず、自分の知識と経験の範囲内でそう判断しているにすぎない。
では「藤井時代」の前は何時代だったのだろうか。それは「羽生時代」である。このふたつの時代の決定的な違いはAIの登場であろう。羽生九段が15歳でデビューしたのは1985年。コンピューターの将棋ソフトがようやく市販された頃である。わたしもソフトと対戦して覚えているが、当時のソフトはプロはおろかアマ有段者でも相手にならないほど弱かった。藤井棋聖の将棋は羽生時代の将棋にAIで培われたセンスが加わっているのではないだろうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
後記 藤井聡太棋聖は8/20、4連勝で王位も奪取し二冠となりました。これからがますます楽しみです。
2022/3/12 先日、予想通り藤井聡太竜王はA級入りを決めました。一年後に名人挑戦者になるでしょうか。藤井さんが今のように最善の将棋を指すことに専念すれば、おそらくなるでしょう。
順位戦B級1組最終局で、藤井聡太竜王は佐々木勇気七段に勝利し、A級昇級を決めました。藤井竜王は10勝2敗、佐々木七段は7勝5敗の成績でした。
— 読売竜王戦【公式】 (@yomiuri_ryuo) 2022年3月9日
藤井竜王は「鬼の住処」のB1で、1期抜けを果たしました。来期は名人挑戦を目指すリーグ戦となります。(写真は日本将棋連盟提供)#藤井聡太 #佐々木勇気 pic.twitter.com/V8ldaI9i6H