前回の記事で、村上ファンドによるフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の株買い増しについてお伝えしました。引き続き、注目が高まるこの話題を追いかけます!今回は、村上ファンドのねらいに焦点を当てます。
村上ファンド、フジHD株を16%に買い増し
旧村上ファンド系の投資会社「レノ」や村上世彰氏の長女・野村絢氏らが、フジHDの株式を積極的に買い増しています。
2025年4月時点で5.19%だった保有比率は、以下の通り急速に上昇しました。
- 7月2日:13.32%
- 7月4日:14.35%
- 7月10日:16%
この買い増しは、フジHDの経営方針に影響を与える可能性があり、市場の注目を集めています。
村上ファンドの保有目的は「投資および経営陣への助言や重要な提案行為」とされています。
特に、フジHDが保有するお台場の不動産資産の活用が焦点と見られています。
村上氏の狙い:企業価値の最大化
村上氏は、フジHDの低PBR(株価純資産倍率0.86倍)を問題視しています。
Yahoo!ニュースによると、村上氏は以下のような戦略を掲げています。
- 資産の再評価:お台場の一等地など、不動産資産の時価評価を反映させ、株価を押し上げる。
- 経営効率化:放送事業の収益性向上や、資産の有効活用を提案。
- 株主還元:配当や自社株買いを通じて、投資家へのリターンを強化。
これらは、フジHDの企業価値を高め、株主利益を最大化する狙いがあるとされています。
村上氏の過去の実績から、「物言う株主」として経営陣に強い圧力をかけることが予想されます。
フジHDの買収防衛策と株主総会の結果
フジHDは、村上ファンドの動きに対抗し、7月10日に買収防衛策を導入しました。
この策は、特定の株主が20%以上の株式を取得する場合、事前手続きを求めるものです。
実質的に、村上ファンドの影響力拡大を牽制する狙いがあります。
また、6月25日の株主総会では、以下の結果が出ました。
- 会社側提案の11人の取締役選任案:可決
- 村上ファンド側提案の12人の取締役候補:否決
これにより、現在の経営陣は一時的に優位に立っています。
しかし、村上ファンド側は「ガバナンスに反する」とこの結果に失望を表明しています。
村上ファンドの次の一手と条件付き書簡
7月11日、村上ファンドはフジHDに対し、重要な書簡を送付しました。
その内容は、「20%以上の株式買い増しは行わない」という方針です。
ただし、これは以下の条件付きです。
- フジHDが「企業価値向上策」を公表すること
村上氏は、フジHDの経営改革が進まなければ、さらに株式を買い増して圧力をかける可能性を示唆しています。
過去、2006年のニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で村上氏とフジHDは対立した経緯があります。
この因縁が、現在の緊張感をさらに高めています。
フジHDの株主構成と市場の反応
フジHDの株主構成(2025年3月末時点)は以下の通りです。
- 東宝:8.83%(筆頭株主)
- ダルトン・インベストメンツ:7.19%
- 野村絢氏(村上ファンド系):5.78%
- SBIホールディングス系(レオス・キャピタルワークス):5.12%
- 個人株主:29.4%
個人株主の割合が大きいため、株主総会での議決権行使が今後の焦点です。
市場では、村上ファンドの買い増しを受け、フジHDの株価が変動しています。
低PBRや不動産資産の潜在価値が注目され、投資家の関心が高まっています。
7月26日の期限に注目
村上ファンドの買い増し期限は7月26日までとされています。
この期間中の動向や、フジHDの企業価値向上策の発表が、株価や経営方針に大きな影響を与えるでしょう。
今後の展望:経営改革か対立激化か
村上ファンドの提案は、フジHDの経営に変革をもたらす可能性があります。
特に、不動産資産の活用や放送事業の効率化は、企業価値向上につながるかもしれません。
一方、買収防衛策や株主総会の結果から、フジHDは現経営陣の体制維持を優先しています。
今後のポイントは以下の通りです。
投資家や視聴者にとって、フジHDの経営方針と株価の動きは見逃せません。
おわりに:フジHDの未来はどうなる
村上ファンドの積極的な動きは、フジHDの企業価値向上に繋がるのか、それとも対立の激化を招くのか。株価によっては、村上ファンドが売り抜けてしまうという収束も十分あり得ます。ホリエモンは以前から、「村上ファンドはグリーンメーラーだ」と言っていますから、圧力と交渉でフジ側に買い取らせる可能性も大いにあります。
放送業界や不動産資産の活用に注目が集まる中、フジHDの未来が気になります。
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