ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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藤井聡太叡王対菅井竜也八段 叡王戦第四局 2度の千日手指し直しから藤井叡王が勝利 叡王を守る

第8期叡王戦第四局は、2度の千日手指し直しとなりましたが、藤井聡太叡王菅井竜也八段に勝利。3勝1敗となり叡王位を防衛、3連覇を達成しました。
 

第四局の流れ

千日手指し直し 

菅井竜也八段は先手で三間飛車を採用。ここまで、すべて三間飛車と徹底しています。本日の一局目は千日手(同一局面が4回現れたため無勝負)となりました。

指し直し局① 
先後が入れ替わり、藤井聡太竜王が先手で居飛車菅井竜也八段は指し直し局も三間飛車を採用。どちらも一歩も引かない構えです。じっくりとした駒組みで相穴熊となりました。藤井叡王は金銀すべてが固まるガチガチの総穴熊。菅井八段は金が飛車先に出る変わった形です。この局も千日手指し直しとなりました。
指し直し局② 
再び先後が変わりましたが、戦型はほぼ同じになりました。菅井八段は今回の叡王戦すべて三間飛車。駒組みで菅井八段も総穴熊にしたため、双方攻め味が薄い形になりました。最後は、藤井叡王が飛車を切っての即詰みに仕留めました。
 

終局後のコメント

藤井叡王 
攻めが細かったです。と金を作っても駒が少なく、うまく行くかわかりませんでした。1七香成は受けづらいだろうと思いました。全体を通して大変な戦いでした。今日二局目の途中は悪くなり、苦しかったです。三度目の千日手の可能性はありました。(シリーズについて)相穴熊が多かったのですが、距離感がつかめませんでした。苦しいなかで勝利できたのは大きいです。
菅井八段 
(なかなか言葉にならず)うーん、うーん。5八飛は良くなかった。5六歩の垂らしを見落としていました。これで一気に悪くなりました。(最初の2局のなかで)千日手を選ばずに打開すべき局面がありました。(シリーズについて)残念な結果です。(藤井さんの印象を尋ねられましたが、なかなか言葉にならず、絞り出すように)将棋にまっすぐだと感じました。(結果について)将棋としての精度が低く、見に来てくれた方々に申し訳ない。力不足です。
 

ふきんとうの感想

すべて三間飛車で挑んだ菅井竜也八段。最後は潔く「力不足です」と述べておられたのが印象に残りました。ただ、3勝1敗という結果が示すほどの力の差はないのかなと思います。むしろ振り飛車を指しこなせば、対藤井の有力な切り札になると感じさせました。今後の活躍に期待しています。逆に言うと、高段者との対局であまり振り飛車を指していない藤井聡太叡王ですが、それでも中盤から少ないチャンスをものにして優勢を築くあたりすごいですね。中盤から終盤にかけての精度が高いうえに、詰みの読みが早い。対局者はこのあたりをクリアしないといけないので、現状ではだれがやっても藤井聡太叡王に勝ち越すのは難しいでしょう。この防衛で、残すは名人があと一勝。そして王座戦は挑戦者決定トーナメントがまだ残っています。いずれにしても、今期中の八冠制覇の可能性は十分にあります。