ふきんとうだより

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ドジャースに暗雲 NLDS第3戦敗北の衝撃と不安要素

ドジャースポストシーズンが、突然の嵐に包まれました。2025年10月8日(日本時間9日)のNLDS第3戦で、フィリーズに8-2で屈したこの試合は、単なる一敗に留まりません。連覇を目指す王者チームに、思わぬ不安の影が忍び寄っています。この記事では、試合の核心を掘り下げながら、監督の決断、スター選手たちの苦闘、そして今後の道筋を探ります。MLBの醍醐味であるドラマチックな展開に、心を揺さぶられること間違いなしです。

ドジャースに暗雲が垂れ込める 第3戦の8-2大敗

ドジャースはNLDSで2連勝を飾り好調でした。しかし、第3戦は一転して悪夢の夜となったのです。ホーム・ドジャースタジアムで迎えたこの一戦、フィリーズのシュワーバーが2本の本塁打を放ち、チームを8-2の勝利に導きました。逆に8回に5得点を浴びたドジャースの崩壊劇は、観客の溜息を誘いました。

先制したのはドジャース。しかし、フィリーズが3得点をあげて首尾よく逆転。2点差で7回を迎えます。ここでレジェンド・カーショーが登板。このあたりから流れがよりフィリーズに傾きました。フィリーズの攻撃陣が爆発し、シュワーバーの第2号3ランが試合を決定づけました。この敗戦により、シリーズはドジャース2-1フィリーズの微妙な星に。ドジャースポストシーズンに新たな影を落としています。

メディアの反応は厳しく、Yahoo Sportsでは「フィリーズの徹底的な打撃が、ドジャースの優位性を崩した」と報じられています。 確かに、シュワーバーの活躍は光りました。彼は今季NL打者で最多のBox-Toppersポイントを稼いだ選手で、この一戦でもPlayer of the Gameに輝きました。 ドジャースファンにとっては、連覇への道が一気に険しくなった瞬間です。

② ロバーツ監督のカーショー起用 ベテランの実績と賭けの末路

この試合の最大の論争点は、デーブ・ロバーツ監督のカーショーの起用法です。引退が決まっているレジェンドを、7回にリリーフとして送り出し、8回も続投させた判断が、波紋を呼んでいます。結果、カーショーは2イニングで5失点を喫しました。

②-1 カーショーの輝かしい実績

カーショーのキャリアは、ドジャースの誇りです。通算223勝、3度のサイ・ヤング賞受賞、ワールドシリーズMVP。ポストシーズンでも、2014年のNLCSで圧巻の活躍を見せました。しかし、近年は怪我に悩まされ、2025年はローテーションの柱として復活したものの、スタミナに不安を抱えていました。それでも、ロバーツ監督は「彼の経験がチームを鼓舞する」と信じ、この起用に踏み切ったのです。起用そのものは選択肢としてありですが、7回の投球を見ると、そのイニングだけにするのが最善でした。後述しますが、ロバーツ監督も今日のカーショーのスライダーが良くなかったと言っているのですから。

米メディアの評価は辛辣です。Heavy.comでは「貧弱な決定。白旗を振ったようなもの」と非難し、ブルペンに5人の投手が残っていたのにカーショーを続投させた点をやはり問題視しています。 ESPNも「過度な負担をかけた」と指摘し、ロバーツ監督のコメント「スライダーが今夜は良くなかった」を引用。 一方、LA Timesは「左腕不足のやむを得ない選択」と擁護しつつ、続投の失敗を認めています。 この決断は、感情と戦略の狭間で揺れる監督の苦悩を象徴しています。

カーショーのようなベテランを起用するのは、チームの士気を高める有効策ですが、ポストシーズンの高プレッシャー下ではリスクが伴います。7回のアップアップながらも何とか持ちこたえたイニングだけにしていれば、傷は浅かったでしょう。ドジャースは今後、こうした不安をどう払拭するかが鍵です。

大谷翔平の不振 攻撃の要の沈黙

ドジャースの得点力に陰りが見える中、大谷翔平のスランプが最大の懸念材料です。NLDS3試合で打率.071、1安打7三振と低迷。Game 3では0打数5打安0安打と沈黙を続けました。レギュラーシーズンの55本塁打から一転、ポストシーズンでの不調が目立ちます。

LA Timesの分析では、「左腕対策の失敗。内角低めのシンカーにスイング判断が乱れている」と指摘。 ロバーツ監督も「決断が良くない。失投を打つチャンスを逃している」とコメントしています。 Associated Pressは「大谷の攻撃力欠如がシリーズを危うくしている」と警鐘を鳴らし、フィリーズ監督トムソンの「彼はいつ爆発してもおかしくないが、うちのピッチングが効いている」を紹介。

大谷はGame 2の決勝打で輝きましたが、それ以外では三振と凡打。チームが大谷に依存することの限界を露呈しています。Yahoo Sportsでは「最悪のタイミングのスランプ」と評し、トップ3(大谷、Betts、Freeman)の不振が重なっている点を強調。 ファンとして心配ですが、大谷のメンタルは強く、復調がいつ訪れるかに注目です。以下の表で彼のNLDS成績を振り返ってみましょう。

試合 打数 安打 三振 打率
Game 1 4 0 3 .000
Game 2 5 1 2 .200
Game 3 5 0 2 .000

この数字が物語るように、早期の調整が急務です。

④ 山本由伸のノックアウト 序盤好投から急転直下

先発の山本由伸も、期待を裏切るパフォーマンスでした。4回2/3で3失点、6安打を浴び、ポストシーズン最短イニングに終わりました。1-3回は無失点の完璧投球で、27連続無失点イニングを継続しましたが、4回のシュワーバーの本塁打(455フィート)で崩壊。Harperのシングル、Bohmのシングル、Marshの犠飛、Realmutoの二塁打で一気に3失点です。

LA Timesは「コントロールを失い、試合の勢いを渡した」と酷評。 Dodgers Digestでは「数ヶ月ぶりの最悪の先発。コマンドが悪く、速球が高めになった」と分析し、山本の「二次球の感覚が悪く、ダメージを抑えられなかった」という反省を引用。 True Blue LAも「守備ミスが失点を拡大させたが、ピッチ選択のミスが致命的」と指摘しています。

山本はNPB時代の実績から期待されましたが、MLBポストシーズンの壁にぶつかりました。スライダーやスプリッターなどの変化球の精度が鍵で、この試合ではストレート頼みになったのが敗因です。次戦でのリベンジに期待しましょう。

⑤ 今後の展望 Game 4で逆転なるか

シリーズは2-1でまだドジャースリードですが、Game 4(10月9日、日本時間10日)が正念場です。ドジャースタジアムで、フィリーズの先発は未定ですが、ドジャースブルペン頼みの展開が予想されます。

ドジャースは大谷の復調と投手陣のがんばりが鍵で、勝てばNLCS進出ですが、負ければ逆王手をかけられるため、心理的にもかなり追い詰めることになります。

Bleacher Nationの予測では、ドジャース有利は変わらないとしつつも、フィリーズの反撃を警戒。 ドジャースは王者として、逆境をバネに変える力を持っています。ファン一同、静かに見守りましょう。

この第3戦の敗戦は、ドジャースに新たな試練を与えました。しかし、ポストシーズンの魅力は、そんな逆転劇にあります。大谷のバットが火を噴き、山本が復活し、ロバーツの采配が冴え渡る瞬間を、皆さんと共有できる日が来るはずです。MLBの熱狂を、引き続き追いかけていきましょう。フィリーズの強さもかなりですが、最後は佐々木朗希が胴上げ投手になることに期待しています!