ふきんとうだより

フォーク、藤井聡太、宮沢賢治、佐々木朗希、石川優子についてつらつら語ります

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「花嫁」の背後にある物語:はしだのりひことクライマックスの不朽の名曲を探求

6月といえば、"June bride" 結婚や花嫁のことがイメージされます。ふだんはそれほど意識していないのですが、今年は6/1にNHKのラジオを聴いていたら、この曲がかかったのです。「花嫁」という曲。「はしだのりひことクライマックス」というグループがリリースしたファーストシングルです。はしだのりひこ(端田宣彦)やクライマックスを知らない人はたくさんいるでしょうが、この曲を聴いたことがないという人は少ないでしょう。そういう私も、この記事を書くまでは、はしだのりひこについては全くというほど知りませんでした。今回は、「花嫁」の歌詞と、それにまつわるエピソードを書いてみます。

 

「花嫁」のあらまし

1971年1月10日発売
作詞・作曲:北山修、端田宣彦、坂庭省悟
ボーカル・藤沢ミエ ギター・石川鷹彦
この曲は、1970年代のフォークソングを代表する楽曲の一つで、ギターのイントロから始まります。歌詞は花嫁が「帰れない 何があっても」「何もかも捨てた」と固く誓い、「花嫁衣裳はカバンに詰めた野菊の花束」と周囲から祝福されない結婚であることを示しています。しかし、彼女は、夫になる人のもとへ夜汽車でひとり旅立って行くのです。この当時は、まだ"June bride" が日本に定着していませんでした。1月の発売ですからね。

大ヒットする

この曲は、1971年2月15日・22日付のオリコン週間ヒット・チャートで2週連続第1位を獲得し、同年の年間ヒットチャートで第7位を記録しました。また、累計売上はミリオンセラーを記録しました。結婚式で歌われることの多い歌でもありますが、歌詞全体を考えると、結婚式を挙げられなくても、自分の決意を貫くという歌なんですよね。「帰れない 何があっても」というくだりが、結婚する二人の誓いを固いものにしてくれます。歌詞は以下の通りです。

「花嫁」の歌詞 作詞は北山修

花嫁は 夜汽車にのって
嫁いでゆくの
 
あの人の 写真を胸に
海辺の街へ
 
命かけて燃えた
恋が結ばれる
 
帰れない 何があっても
心に誓うの
 
小さなカバンにつめた
花嫁衣裳は
 
ふるさとの丘に 咲いていた
野菊の花束
 
命かけて燃えた
恋が結ばれる
 
何もかも 捨てた花嫁
夜汽車に乗って


www.youtube.com

 

「花嫁」には別の歌詞があった

「花嫁」の歌詞は北山修が書いたものとは別にもうひとつあり、レコーディング時にはしだ(端田)から突然知らされた北山は驚きましたが、こっちでもレコーディングさせてくれと懇願され、どちらの詞を選ぶかもめていたところ、たまたま遊びに来ていた岡林信康が北山の「花嫁の方がいいんじゃない」と言ったことからこの歌詞に決まったのでした。岡林信康の言葉からすると、ボツになった方の歌詞は、テーマそのものが違うものだった可能性もあります。いろいろと調べてみましたが、ボツになった歌詞は見つけられませんでした。北山もはしだも亡くなった今、そちらの歌詞は幻となってしまいました。このことがきっかけで、北山とはしだは30年近く仲違いしていましたが、はしだが入院時に、この件について北山に詫びたことで和解することになったと、『週刊現代』2019年3月9日号の「週現『熱討スタジアム』」で北山が告白しています。

まとめ

この記事では、はしだのりひことクライマックスの名曲「花嫁」について詳しく解説しました。この曲は1971年にリリースされ、その歌詞とメロディは多くの人々の心を捉え、ミリオンセラーを記録しました。しかし、この曲の背後には、知られざるエピソードがありました。それは、歌詞が二つ存在し、最終的に選ばれた歌詞が現在私たちが知っている「花嫁」の歌詞であるという事実です。
音楽は時代を超えて人々の心を動かし続けます。「花嫁」はその最たる例で、その歌詞一つ一つに込められた情感は今もなお色褪せることなく私たちに響きます。この記事を通じて、「花嫁」を新たな視点で捉え、その深みを再認識していただければ幸いです。音楽とともに、素晴らしい一日をお過ごしください。