2025年4月9日・10日に東京都文京区のホテル椿山荘東京で開催された第83期名人戦七番勝負第1局。藤井聡太名人(七冠)と挑戦者の永瀬拓矢九段が対局に臨み、将棋界最高峰の戦いが繰り広げられました。この記事では、対局結果、戦型と経過、食事の内容、終局後の両者のコメント、そして第2局の見どころを詳しくお伝えします。
藤井名人は「1日目から終盤戦のような展開になって、2日制でもそういった展開は多くはなかったですけど、一手一手時間を使って考えたが、結局分からないところがかなり多かったと感じています。ずっと際どい局面だったが、9時間の将棋で目いっぱい考えることができてよかった」と話していました。 pic.twitter.com/xGVEzGQITF
— 毎日新聞・将棋 (@mainichi_shogi) April 10, 2025
対局結果|藤井名人が初戦を制す
第1局は藤井聡太名人が勝利しました。4月10日午後8時42分、115手で永瀬九段が投了し、藤井名人は名人防衛に向けた初戦を白星で飾りました。これで両者の通算対戦成績は藤井名人の23勝、永瀬九段の7勝(2025年4月10日時点)。藤井名人が大きくリードしていますが、永瀬九段の次局以降の巻き返しに注目が集まります。
戦型と経過|角換わりでの熱戦
戦型は「角換わり腰掛け銀」。後手番の藤井名人と先手の永瀬九段が、ともに得意とする戦型で対決しました。1日目は永瀬九段が83手目を1時間55分の長考の末に封じ、消費時間は永瀬九段が5時間、藤井名人が2時間46分。封じ手は「▲2四歩」で、藤井名人の玉頭を攻める姿勢を示しました。
2日目は午前9時に再開。終盤で永瀬九段が飛車を切って勝負に出ましたが、藤井名人の的確な受けが光ります。115手目で永瀬九段が投了し、AI評価値でも藤井名人が終始優勢を維持したまま決着を迎えました。研究の深さと実戦での冷静さが際立つ一局となりました。
勝負メシ|永瀬九段の寿司へのこだわり
対局中の食事も注目されました。永瀬九段が2日連続で同じメニューを選んだことが話題となりましたが、これは永瀬九段にとっては定跡。
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1日目(4月9日)
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藤井名人: 「特製カレーライスとウーロン茶」。スパイスの効いたカレーで集中力を保ちます。
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永瀬九段: 「にぎり寿司盛り合わせ」。新鮮なネタで頭をリフレッシュさせました。
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2日目(4月10日)
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藤井名人: 「冷たい天ぷら蕎麦とウーロン茶」。涼やかな選択で、春の対局を乗り切ります。
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永瀬九段: 「にぎり寿司盛り合わせ」。1日目と同じメニューを再び注文し、安定した好みが垣間見えます。
永瀬九段の寿司への一貫したこだわりに対し、藤井名人は変化をつけた注文で対局に臨みました。
終局後のコメント
終局後、両者が対局を振り返りました。以下は報道に基づく本人のコメントです。
藤井名人は冷静に勝利を分析し、永瀬九段は悔しさを滲ませつつ次局への意欲を示しました。
第2局の見どころ|巻き返しなるか
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永瀬九段の対応: 初戦を落とした永瀬九段が、後手番でどんな対応を見せるでしょうか。藤井聡太名人が角換わりを志向した時に受けて立つかが見どころです。
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藤井名人の工夫: 後手番でも安定した指し回しを見せた藤井名人が、先手番ではどんな工夫を見せてくれるでしょうか。
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研究の深さ: 七番勝負の第二局。まだ番勝負を決するところまでには至りません。また、普段からよく指していてお互いをよく知っているので、純粋に指し手に集中できるでしょう。角換わりの最先端の研究の深さを垣間見られるのも楽しみです。
藤井名人が連勝で勢いをつけるのか、永瀬九段が反撃の糸口をつかむのか、次局も見逃せません。