先日、順位戦プレーオフで佐藤天彦九段を下して、名人挑戦者となった永瀬拓矢九段。その勢いのまま、藤井聡太王将に挑んだ第74期王将戦第5局が、昨日と本日(3月8日・9日)にわたって行われました。永瀬九段にとっては、名人戦への弾みをつけるためにも重要な一戦でしたが、対する藤井王将は圧倒的な強さでタイトル防衛を果たしました。
藤井聡太王将が4連覇 タイトル獲得28期、歴代単独5位 王将戦 | 毎日新聞 22歳でこのタイトル数はどういうこと?https://t.co/O3MfVi1eFU
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藤井聡太王将が4-1で防衛
本局は、藤井聡太王将の勝利に終わり、対戦成績を4勝1敗として王将位を防衛しました。永瀬拓矢九段は序盤から積極的に仕掛けたものの、藤井王将の冷静かつ的確な対応に屈する形となりました。終局時刻は9日18時32分、132手で藤井王将の勝ち。
戦型と経過
後手の藤井聡太王将が、☖8四歩ではなく☖3四歩と応じたため、角換わりではなく雁木となりました。今まで、2手目は8四歩以外指されていませんでした。その雁木に対して、永瀬拓矢九段は、3筋から速攻を仕掛けました。序盤からペースを握ろうとする永瀬九段の意図が明確でしたが、藤井王将は動じることなく、じわじわと形勢を整えていきます。中盤では永瀬九段が飛車を切って攻めを加速させるも、藤井王将の受けが冴え、徐々に差が広がりました。終盤、藤井王将の寄せが決まり、永瀬九段に反撃の余地を与えませんでした。
両者の食事
一日目昼食
藤井聡太王将 煮ぼうとう・とろろご飯
一日目昼食。煮ぼうとうにカレーやきそば 深谷名物が「勝負めし」で歓喜 王将戦 | 毎日新聞 https://t.co/9ilAgC8ykj
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二日目昼食
藤井聡太王将 しょうが焼き丼
二日目昼食 藤井王将はしょうが焼き丼、永瀬九段は再びやきそば 王将戦昼食 | 毎日新聞 https://t.co/k4hoKiJh1b
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終局後の両者のコメント
藤井聡太王将:「序盤で☖3四歩を選んだのは、相手の準備を外す意図もありました。永瀬九段の攻めが鋭く、難しい局面もありましたが、なんとか防ぎ切れたと思います。王将戦を防衛できてホッとしています。」永瀬拓矢九段:「藤井王将の対応が素晴らしく、自分の攻めが届きませんでした。悔しい結果ですが、収穫もあったので、名人戦に向けてさらに準備を進めたいです。」
名人戦に向けての展望
今回の敗戦で永瀬拓矢九段は藤井聡太王将の強さを改めて実感したことでしょう。しかし、順位戦での好調ぶりや本局での積極的な姿勢を見ると、名人戦での巻き返しに期待が膨らみます。ここまでの両者の通算対戦成績は、藤井聡太王将が22勝、永瀬拓矢九段が8勝となりました。藤井王将は、今回の防衛でさらに自信を深めたはず。4月から始まる名人戦では、両者の再戦、さらなる激闘が将棋界を盛り上げそうです。永瀬九段がどのように藤井王将に挑むのか、今から注目が集まっています。